2002年の12月末から2003年の5月にかけて書いた「ひとこと」を並べています。よろしければ読んでください。
5月25日
思うだけでした。
今週はマーラーの寸評を4枚ほどやってお茶を濁します。
・小林研一郎&日本フィル/2番
1番と5番以外ではチェコフィルとの7番に続き2枚目となるCDです。
冒頭から気が漲っている演奏で、ひとフレーズも無駄な所がなくて、最後までとうとうと流れていく様子はこの曲を完全に手中に収めた抜群の安定感みたいなものがあります。また透明感のある音色は非常に広がりを持っていて心地よいです。
でも録音のせいか、クライマックスでの爆発力が薄く、カタルシスをあまり得られないのが玉に瑕です。
それにしてもキャニオンにはハンガリー国立交響楽団との録音があるはずなのに、どうして出ないんでしょうね?
・小林研一郎&日本フィル/3番
この3番は2番に続いてのリリースでした。
オケのキャラクターかアタックの利きが弱く、もっちゃりとしたイメージを抱いてしまい、お世辞にも上手いとは言えない演奏です。
演奏自体は最近のコバケンのスタイル同様、淡々としているけど響きは充実していて、音楽の流れも緩みがなく、クライマックスでドカンと盛り上げるもので、非常に安定した曲運びをしています。またメロディも魅力的に歌えている点がコバケンらしいです。
ただフィナーレのコーダではさすがにこの人らしく盛り上がるのですが、いまひとつ愉しくないのが残念です。
・池尻竜典&東京フィル/7番
最近その活躍が面白くなってきた池尻氏ですが、その彼のマーラーです。なおテナーホルンに外囿祥一郎氏の名前がクレジットされています。
若々しさに溢れた演奏で、旋律の歌わせ方に荒さを感じますが、この複雑な曲をスッキリと聴かせてしまう辺りたいしたものだと思いました。
全体に健康的で明るいのが良いのですが、終楽章が非常に抑えられた感じを受けてしまい、やや物足りない面もあります。一方、オケの方はやや力不足で、特に曲の冒頭ではヨレヨレなのが残念です。
・アルブレヒト&読売響/5番
粘らずスパッとキレの良い歌い口をしていますが、けっして腰高になったりしないで、響きには力強さと透明感があり、速いテンポも合わさってグイグイと引き込まれてしまう演奏です。
対位法の処理なんか秀逸で、各旋律を非常にクリアーに奏でていて明快に伝わってきます。
どの楽章にも均等な重みが与えられていて、突出した部分がないため大きく盛り上がることはありませんが、凝縮された内容はとても聴き応えがありました。
ちなみにこの4枚の中ではこのCDの録音が出色の出来です。
それにしても、この4枚が短い期間にすべてEXTONから発売されたのが何ともはやですね。微妙にターゲットが違うのかもしれませんが、これを4枚とも買う人がはたしているんでしょうかねー? ……あ、私か。
今月31日には待望のアレがついに発売されますので、それに併せて例のアレの方も再開しようと思っています。(思うだけだったりして……)
5月18日
今週はブル8の寸評を2枚ほど。
・マタチッチ&N響
これはアルタスから出た75年の演奏のほう。
幾分荒っぽい演奏ですが、テンポがモリモリと動いて曲がグイグイと進んでいきます。でも素朴な味わいがあって嫌味なところがまったくないため、はまることが出来たなら最後までウキウキと楽しく聴ける演奏です。
それにしても、曲の最後には無我夢中になって演奏しているN響が非常に珍しいです。N響も出来ないことはないんですね。まさにマタチッチの魔術。
・堤俊作&俊友会管弦楽団
前から気にはなっていたCDでしたが、アリアCDで特集が組まれたのを期に購入。
なんとウィーン楽友協会大ホールでの演奏です。
非常に端正で無駄がなく、かっちりとした構成をしています。なによりブルックナーサウンドをしっかり鳴らしていることが驚きです。
オケの方も入魂の演奏をしていて、曲の冒頭から気合いの入れ方がハンパではありません。その一方少々真面目すぎて面白さに欠けるのが惜しいです。
しかし、フィナーレのコーダではまさに大爆発と言えるパッションの炸裂があり、奇跡的と形容できる音楽の輝きがあり、この部分だけでもこちらをノックアウトにしてくれます。
いや〜、ビックリした。
最近、CDの寸評ばかりでお茶を濁しているような気がしますので、そろそろ気合いを入れようと思っています。(思うだけだったりして……)
5月11日
楽しみにしていた方、お待たせしました!
・大植英次&大阪フィル「復活」 第368回定期演奏会 2日目
それにしても、来年2月のレニングラードはなぜ平日なんだ〜(血涙)。
今週はこれだけっ!
5月5日
ちっとも大型連休じゃなかったですね。
さて、久しぶりにCDの寸評などを。
・マーラー「復活」/大野和士&ベルギー王立歌劇場管弦楽団
上手く表現できませんが、良い演奏です。全体的にスマートで、清潔な(潔癖性的な?)澄んで透明感ある響きが広々と広がっています。けれどそれだけじゃない何か(敢えて言うとシリアスさとかペシニズム?)を感じるものでした。ただ、響きが濃厚でないため、安っぽく感じてしまうかもしれません。
もっと狂気を見せても良かったと思う。
・ベートーベン「田園」&「運命」他/ギーレン&ドレステンフィル
許センセ大推薦の演奏がやっとCD化されました。ギーレン最後の来日で、自死の約1年前の演奏です。
繊細で清潔な響きがとても美しいけれど決して軽くなく、遅いテンポも手伝って滑らかに曲想が継がっていく感じを受けます。しかし踏みしめるようなリズム感があるので、演奏にはしっかりとした推進力が備わっています。さしずめリズムをしっかりと刻むチェリビダッケと言えるかも。
なにより曲全体に張りつめている緊張感が素晴らしく、最初のひと鳴りからぐっと引き込まれる演奏です。
特に素晴らしいのがエグモント序曲で、次いでバッハのG線上のアリアでした。
・シベリウス交響曲第1・4・7番/渡邉暁雄&ヘルシンキフィル
ヘルシンキフィル初来日時のもので、メンバーの中には指揮者への転身が決まっていたオスモ・ヴァンスカさんもクラリネットを吹いていたそうです。
もの凄く穏やかで、マッタリとした味わいがあって、暖かくて広がりのある響きがとても心地良い演奏です。ほぼ無修正のライブ録音のためか幾分ひなびた印象がありますが、なにより演奏に心がこもっているのが大変良いです。
1・4・7番そして悲しきワルツのすべてが素晴らしいですが、最後まで緩むことなく語られる叙事詩のような1番、とんがった所がなくすべてが穏やかに流れていく4番、静けさに豊かな詩情を湛えて漂う7番、どれもが渡邉さんでしか表現できないものを持っていて素晴らしいです。
比較的新しいCDをチョイスしたのですが、参考になりました?
来週の金・土はいよいよアレですね。
4月27日
ごーるでんうぃーくって何者ですか?
アフィニス文化財団って知ってますか?
オーケストラに色々と助成をしてくれている文化財団ですが、この財団が助成したコンサートの一部をCD(初期はカセットテープ)にして無料配布してくれています。(送料もなし)
そのCDの団体や曲目などはサイトの「CDプレゼント」あたりをじっくりとご覧になるとして、朝比奈隆関係としてはNo.1のマーラー『復活』(カセット)とNo.18のジークフリート牧歌(CD)とがあります。
サイトの在庫表示には両方とも“×”とありますが、電話で直接うかがうと、「No.1だけが残ってます」と教えてくれたので、早速お願いしました。すると1ヶ月ぐらいして忘れた頃に郵便で送ってくれたのでした。(非常に丁寧な対応をしてくれました)
と、言うわけで連絡先は
財団法人 アフィニス文化財団
〒105-0002 東京都港区愛宕1-1-11 虎ノ門八束ビル6F
Tel. 03-3431-4211
です。
ただ私が連絡した時でホントの最終在庫だったようなので、今もあるという保証はありません。ですから、いきなりフォームなんかで注文したりせず、事前に在庫を確認してからにして下さい。
くれぐれも言っときますが、財団は完全に慈善事業でやってくれてますんで、「なぜない?」とか「送るのが遅い」とか言わないように。
それとヤフオクで暴利をむさぼらないようにねY(はーと)。
4月20日
行って来ました東京に! と、言うわけで
・ジャン・フルネ&東京都交響楽団
そして
・金聖響/新世紀浪漫派!「シューベルト」
を登録しました。
それにしても東京じゃボッセが新日フィルとブル8、アルブレヒトと読売日響がブル4と、けっこうブルックナーをやる予定なのがちょっとうらやましく思ったりして……。(セゲルスタムのシベリウスもうらやましいぞ)
なんか毎週のように書いてますが、『朝比奈隆アーカイブスDVD頒布』が第2回頒布を開始したとのことで、興味があるひとはチェックしてみて下さい。
ここに「巨匠から学生たちへ」と「金澤益孝メモリアル」のことを書いた途端、ご商売を始める方々が、こことか、こことか、こことか、こことか、にいらっしゃるようで……。なんだかな〜、と思いました。
お〜〜い! そいつらは1,000円(VHSは2,000円)と4,500円で買えるんだぞ〜〜!!
4月13日
大植さんが2005年のバイロイト音楽祭に出演するんだって。
これにはマジで驚きました。これは大阪フィルの定期と東京定期で「トリスタンとイゾルテ」の演奏会形式をしなくちゃダメでしょ〜。て言うかお願い、して。
(個人的には2006年のティーレマンによる「指輪」にも期待大)
それと「巨匠から学生たちへ」のCD、手に入りましたか? 少しでもお役に立てたとしたら嬉しい限りです。(こういう情報は隠さないでみんなに教えましょう。ちなみに“通りすがり”は私ではありませんよ)
追伸:さっそくヤフオクで転売する人が出ましたね。 (´д`) =3 ハァー
先週ご紹介した『朝比奈隆アーカイブスDVD頒布』ですが、そのDVDにようやく目を通すことが出来たので、簡単なレポートを。
てっきりDVD−Rをそのまま送ってくるものと思っていましたが、良い紙を使った立派な装丁(バックカード)が施されていて、さらには盤面にもプリントがなされていました。非常に手間が掛かっているDVDです。(下手なブートよりも立派だった)
録画の方は個人が趣味で残していたものですから、それを考えると充分納得のいくものです。(20数年前のVTRとしては標準的です)
さてさて、楽しみにしている方には申し訳ありませんが金聖響/新世紀浪漫派!「シューベルト」のリポートは来週にさせて下さい。も、もうちょっと待って……。
4月6日
あっと言う間に4月。
月が変わって生活環境がガラリと変わった人もいると思いますが、ここはいつも通りにやってます。
さて、Webの波を漂っている内にこんなサイトを発見しました。
『朝比奈隆アーカイブスDVD頒布』
凄まじいばかりの録画リストに度肝を抜かれますが、その膨大なライブラリからいくつかを抜粋して頒布して下さってます。
どれも貴重なものばかりだと思いますので、一度その目で確かめて下さい。(近々第2回頒布を始めるそうです)
さてさて、今週の更新はと言うと……ありません。ごめんなさい。
このサイトはもう5月病になった模様です。
3月30日
桜が咲き出しました。
先週、大フィルレーベル第3弾のお知らせをさせてもらいましたが、今週もビックな情報を教えて頂きました。
朝比奈隆&NHK交響楽団
ブルックナー…交響曲第8番
録音:1997年3月6日
販売:fontec(FOCD9184)
価格:3,300円
発売日:5月31日
よくやったフォンテック! アルトゥスに先越されなくて良かったな!
発売日が待ちきれなくて眠れなくなるCDなんて久しぶりです。
次は自主制作CDの話題ですが、これも教えて頂いた情報です。
・「巨匠から学生たちへ」
朝比奈隆&大阪音楽大学管弦楽団
チャイコフスキー…「白鳥の湖」抜粋&交響曲第5番
・「金澤益孝メモリアル」
朝比奈隆&関西交響楽団(大阪フィル)
リスト…ピアノ協奏曲第1番&「死の舞踊」
ラフマニノフ…パガニーニの主題による狂詩曲
この2枚は、レコ芸の朝比奈隆ディスコグラフィーでは「問い合わせはご遠慮下さい」と書かれていますが、実はばりばりの現役盤で、それぞれ問い合わせると気楽に販売してくれるCDなのでした。
で、その気になる問い合わせ先は、
「巨匠から学生たちへ」
大阪音楽大学 チケットOCM
Tel:06-6334-2242
CD:1,000円 VHS:2,000円
代引きで郵送してくれます。
「金澤益孝メモリアル」
大阪アーティスト協会
Tel:06-6135-0503 Fax:06-6135-0504
〒530-0041
大阪市北区天神橋 2-5-25-909
E-mail:artists@mud.biglobe.ne.jp
CD:4,500円
送料込みの金額を郵便振替で送金すると発送してくれます。
レコ芸で存在を知ったもの、入手を諦めていた人はぜひチャレンジしてみて下さい。
くれぐれも注文は在庫を確認してからね。
今週も「CD菜園s」を更新します。
・ベートーベン…交響曲第3番 「英雄」
内容はヨッフム&NDRです。
3月23日
妙〜に忙しくて、CDすら聴けません。
いろいろ聴きたい(そしてここに書きたい)CDがあるのですが、只今激しい歩留まりを起こしています。いつものことか……。
さて、グリーンドアによる大フィルレーベルの第3弾が決定しました。
・チャイコフスキー…交響曲第5番
・ブラームス…ハンガリー舞曲第1番
のカップリングです。
演奏日は1975年10月6日で、スイスのサン・モーリス大学講堂でのライブです。
発売は4月25日。ちなみにCD番号はGDOP-2003です。
それにしても意外な音源が出てきました。ますますこのレーベルから目が離せなくなりましたね。(思い切ってリクエストでもしてみる?)
今週の更新は「CD菜園s」の
・シューベルト…交響曲第7番 ロ短調「未完成」
です。内容はムラヴィンスキー&レニングラードフィルの来日公演です。
3月16日
まずはCDの話題。
・朝比奈隆&大阪フィルのシューマン:交響曲第4番他
ゆっくりとしたテンポを採ってじっくりと進めていく様子は普通の人にはなかなか出来ないもので、この忍耐強いとも言えるしぶとさには脱帽しちゃいました。
それでもクライマックスではしっかりテンポアップして確実に盛り上げるあたりはとても聞き応えがあります。
ロマンの薫りとしたたかさを感じる演奏です。
アンコールのワーグナーは最初こそ軽めに始まりますが、曲を追うに従って流れが良くなり、最後は非常に晴れ晴れしく終わるのが印象的でした。
・ムラヴィンスキー&レニングラードフィルの来日公演
シベリウスの7番は土の匂いのする演奏で、荒々しさがあるもの、曲に付けられた表現のどれひとつ取っても非常に深い意味が与えられたものでした。他の誰とも似ていない個性的なものですが、大変素晴らしい演奏です。
くるみ割り人形の方は、オケの鳴り方が凄まじく、地響きがするかの様なものなのに、演奏自体はとても余裕を持って歌っているものでした。
未完成は全編を支配する緊張感が凄まじく、深く沈み込むような表現が例え様のない魔力を湛えた演奏でした。(詳しくは例のコーナーで)
心配されている録音は非常に良好で、録音した人がホールのどこに座っているかが、判るくらい生々しいもので、文句はありません。
次はコンサートの話題。
第45回大阪国際フェスティバル
・4/2 マゼール&バイエルン放響のブラームス1番とPf協1番
・4/5 佐野成宏(T)コンサート(広上淳一&京都市響)
・4/11 長岡京室内アンサンブル
・4/19 フェスティバル能 「清経」「胡蝶」
・4/22 ウォルフガング・シュルツ(Fl)、吉野直子(Hp)、秋山和慶&京都市響
・4/27 井上道義&モーツァルト・フェスティバル・オブ・オーケストラ・スターズ
こんな感じなんですが、あまり変わり映えがしませんね。こうビックリするようなゲストはいないのかな。
なんて思っていたら、大阪国際フェスティバル協会がやってくれました。
・10/29(水)スクロヴァチェフスキ&ザールブリュッケン放響のブルックナー8番
Mr.Sが大阪でブルックナーを振るのは初めてです。ともあれ今年一番の注目演奏会でしょう。予約は4/1からです。
これが土日だったら……、土日だったら……。(涙)
で、本題である更新情報ですが、
・小林研一郎&大阪センチュリーの「情熱のタクト」
を登録しました。
3月9日
春眠、暁を覚えなさすぎ。
朝比奈隆氏の古いファンは別として、新しくファンになった方が氏のレコードを集めようとした時に大きな壁となるのが、廃盤となった音源の多さだと思います。この廃盤レコードの中にはかなり重要な録音も含まれているだけに地団駄を踏んでいる人もいるはずです。
そこで、こんな活動があります。
「朝比奈隆/廃盤復活運動」
廃盤となった音源を所有するレコード会社6社に復刻への嘆願として署名を送る運動です。
この運動は去年の8月頃から本格的に動きだし、最近の成果では大フィルレーベル(販売:グリーンドア音楽出版)発売の後押しのひとつとして働いたことが挙げられます。
もし今、廃盤CDが手に入らなくて地団駄を踏んでいる方がいらしたら、一緒に署名活動をしてみませんか?
ひとりひとりの声は小さくても、みんなが集まれば大きな声となって、必ずレコード会社へと届くはずです。諦めるのはまだ早いと思います。
興味が湧いた人はぜひに。
【問い合わせ先】
「朝比奈隆/廃盤復活運動」代表の藤田さん(pannacotta@jp-d.ne.jp)まで。
(個人でやっておられるので、ご迷惑をかけないように気を付けましょう)
3月2日
いろいろネタはあるんですが、なかなかはかどりません。もう少し待って下さい。
(おもしろいCDがいっぱいあるんだけどなー)
「CD菜園s」に2点追加しました。
・ベートーベン…交響曲第3番 《英雄》
内容はケーゲル&ドレステンフィルとモントゥー&ロイヤルフィルです。
2月23日
カゼ引いちゃいましたー。もう仕事中はスタンディングダウン状態。
と言う訳で今週の更新はお休みさせて下さい。
え〜と「CD菜園s」ですが、鋭いツッコミが入ったので訂正します。
・ブルックナー…交響曲第7番
マタチッチのHYPNOS盤なんですが、オケ名がウィーン交響楽団の所をウィーンフィルと書いちゃっていたのを訂正しました。
2月16日
この前、久しぶりにN響の生放送聴きました。
お目当てはブロムシュテットさんとのニールセン交響曲第6番「シンプル」だったんですが、N響が必死になって弾いているのが印象的でした。そのためか内容にまで踏み込めていない少し物足りない演奏でした。(すっごいフライング拍手もあったし)
これでこのコンビによるニールセンは3、4、5、6番と聴くことが出来ました。1、2番も取り上げて欲しいのですが、ちょっと無理かなあ……。
どうもこの日のメインはベートーベンのピアノ協奏曲第1番だったようです。
それはそうと、マタチッチ&N響の「新世界」(Altus)面白すぎ。
豪快さ、自由さ、素朴さ、マタチッチの良さを知る人にとっては堪らない逸品です。
さて、今週は「CD菜園s」の更新です。
・ブルックナー…交響曲第7番
内容は井上道義&新日本フィルのものです。
2月9日
大フィルレーベルの第2弾の発売が決定しました。
・シューマン…マンフレッド序曲、交響曲第4番
・ワーグナー…「ニュルンベルクのマイスタージンガー」より第1幕への前奏曲
内容は以前に予告されていた通りでしたが、未発表の「マイスタージンガー」が新たに加わりました。両者ともモントルー公演時のもので、1975年10月4日の録音です。
ちなみにCD番号はGDOP-2002で、価格は税抜きで2,600円。そして発売は2月22日です。
入手は直接グリーンドア音楽出版(sales@greendoor.ne.jp)か、アリアCD、コンセール夕陽ヶ丘、山野楽器、タワーレコード、新星堂、すみや、銀座ヤマハ、石丸楽器(本店、SOFT1、SOFT3)、玉光堂で購入してください。
井上ミッキーのブル7買いました。
曲の進行に緩いところがありますが、広がりのある良い演奏だと思いました。
詳しくは例のコーナーで。
セーゲルスタム&ヘルシンキフィルのシベ1&7買いました。
セーゲルスタムさんにあったあざとさがかなり減退してしました。そのためか、彼の持つ音楽の大きな流れがクローズアップされた形となり、非常に好感を持てる演奏となっています。しかしその分、オケの咆吼はぐっと抑えられて、幾分枯れを感じさせるものとなっています。
両曲とも出来はかなりなものですが、特に1番が屈指の演奏で、これ程までこの曲をじっくりと心に染み込むように聴かせてくれる演奏はそうありません。
全集化が非常に楽しみなプロジェクトです。
コンサートのチケットをゲットしました。ひとつは大植&大フィルの「復活」で、もうひとつはジャン・フルネ&東京都交響楽団です。
フルネさんのコンサートは関西フィルのに行けなかったのが心底悔しかったので、再チャレンジします。まさにラストチャンス。
大植さんの「復活」は10時ちょうどにぴあへ電話したんですが、一発で掛かってしまい逆にビックリしてしまうほどでした。
今週は「朝比奈一本勝負」の更新です。
・ブルックナー…交響曲第6番
キャニオンでスタジオ録音された1,2,3,6番を続けて聴きましたが、普通なら「おかしいよな」と感じる半音のぶつかりを楽譜通りにそのまま収録していることに気が付きました。
「朝比奈はスタジオ録音でさえ、ミスをそのままにする」
という意見はこれのことだったのかと思うのと同時に、ちょっとそれは的外れだと思いました。
2月2日
この間、指揮活動を生業としている方からフォームを使って「この度、『英雄』を指揮しますが、あなた自身の解釈法を」語ってくれと投稿を頂きました。
この方、メールアドレスが書いてなく、お返事を書くことが出来なかったため、今回この欄に書くこととします。
(きっとこの人が望む解答は得られないでしょうけど……)
まず楽譜は自分が納得して使うのなら何を使っても良いと思います。別にいま流行だからと言ってベーレンライターを使う必然性もないと思います。それにパート譜の用意もブライトコプフに準じたものの方がアマチュアのオケなら負担も軽いはずです。
またワインガルトナーの「指揮者の提言」についてですが、自分が目指す音楽の延長線上にこの提言があるのなら、納得できる部分を採用すれば良いと思います。
使用する楽譜がこれだから良い演奏になる、大指揮者のアナリーゼを取り入れたから良い演奏になる、とは私は決して思っていません。
(もっとも、ボーイングにまでこだわるのならこんな話はどうでも良いことなのかもしれません)
曲全体のアプローチですが、まず全体のイメージをどうするかで大きく変わるはずです。(言葉にすると陳腐ですが、激しくドラマティックにするのか、広々として雄大なものにするのか、など)
それが固まると、終楽章のポコ・アンダンテの少し前からコーダに向かってをどう表現するのか決めます。そうするとフィニッシュの形から自ずと第1楽章の基本的なテンポが導かれ、全体のテンポ設定が決定されると思います。ただ第2楽章はどんな速度にしても様になり、遅ければ遅いほど立派なものになりますが、これはオケの状態を見て決めなければならないと思います。
ベートーベンの交響曲を取り上げることはシンフォニーオーケストラの指揮者として自らの芸風を宣言するにも等しい行為だと思っていますので、納得行くまで自分の音楽を練り上げて欲しいと切に願っております。
ちなみに私は、朝比奈が初めてベートーベンの7番を振るときに、師であるメッテルの家へスコアを持って訪ねた際のエピソードが大変好きなんです。
ところで、本番は7月20日ですか?
さて、コンサートのレポートがアップできました。
・奈良交響楽団によるシューマンの交響曲第4番とマーラーの交響曲第4番
……私もまだまだ修行が足りません。
1月26日
ウィーンからメールもらっちゃった。ちょっぴりハッピー。
最近購入したCDの寸評などをひとつ。
1.ムラヴィンスキー&レニングラードフィル/チャイコ5とブラ2の2枚(Altus)
聴いてみて一番驚いたのは、マイクとステージに距離感があること、客席のノイズが異常に近いこと、そしてマイクとステージの間に何やら障害物があること、でした。……ひょっとしてこれ客席録り? 音質自体は悪くないです。
そのおかげか、演奏の生々しさにおいてはブートに迫るもの(笑)で、このコンビの異様な緊張感と練りに練った美しい響きがタップリと味わえるCDとなっています。
2.朝比奈&大フィル/シベ2&ブルのアダージョ2番(ビクター)
両方とも初CD化の演奏。ブルックナーは日本初演の模様。
朝比奈らしいスケールの大きい演奏です。第1楽章なんか非常に立派で、終楽章の後半は大いに盛り上がります。
ブルックナーの方も3番のアダージョとはまた別の魅力を持っていて、ブルックナーを聴く歓びを充分に感じることのできるものでした。
ちなみにシベリウスの方は99年の演奏がポニーキャニオンに編集まで完了したマスターがあるそうなんですが、発売する気配はありません。
3.宇野&アンサンブルSAKURA/モツ41&ブラ1(U.R.F.)
ゲテ好きの皆様お待たせしました。功芳ちゃんのアレです。
モーツァルトの方はスローテンポでじっくりと進んでいく、どちらかと言えば重量級の演奏で、第1楽章の主題提示部がいつものように大見得切った恣意的なもので笑えるものでしたが、あとは普通な感じでした。ただ格調の高さは微塵もありませんでしたな。
けれどブラームスではその恣意的なものもブラームスの音楽の懐深さが上手く包み込んで、非常に楽しく聴くことが出来ました。けれど中音域に音が集まるブラームスでは内声の精緻さが大変重要で、この演奏では壊滅的なアンサンブルが中間2楽章で聴けたりします。
それにしても今回のティンパニはお下劣になる一歩手前でセーブすることが多く、これだけが浮き上がってしまう箇所がそれほどありませんでした。(残念?)
今週も「朝比奈一本勝負」の更新です。
・ブルックナー…交響曲第1番
やっと1番までたどり着きました。
コンサートの方は来週にでもアップしますんで、少し待って下さい。
1月19日(20日 申込用紙アップ)
Googleで“朝比奈協会”と検索すると唯一ヒットする石田工房へようこそ。(もっとありそうな気がしたんですが……)
さて、先週予告したとおり朝比奈協会についてご報告します。
以下、会員募集用紙より引用
「指揮者朝比奈隆氏の業績を後生に伝えつつ、その思い出をいつまでも心に残し、会員相互の親睦を深めていくことを目的に本協会を発足致しました。
会員には会員証を発行し、定期的に会報や案内をお届けするとともに、著作や録音・映像等のリスト、そしてプライベートCD(CDR)の制作などを通じて氏の音楽のより深い理解と研究に取り組みたいと考えています。
なお、入会金¥1,000、年会費¥1,000、会計年度は1月1日から12月31日まで(ただし7月1日以降の入会は年会費半額)とします。
入会ご希望の方は、下の入会申込書に必要事項をご記入のうえ事務局までお送り下さい。また入会金と年会費は下記郵便振替口座にお振り込み下さい。」
申込書をアクロバットリーダー形式(PDF)でアップしたので、よろしければどうぞ。(オリジナルの用紙サイズはB5です)
会員募集活動はしばらくの間、大フィルの定期公演会場でしか行えず、しかも大阪在住の幹事が1人しかいないため毎回という訳には行かないそうです。ですから入会ご希望の方は郵便などで問い合わせた方が良いと思います。
《 問い合わせ先 》
〒367-0113
埼玉県児玉郡美里町大字甘粕字長岡1565-2 内笹井隆 方
朝比奈協会
(イタズラは死んでもしないように)
これ以上の詳細は私もさっぱりなので、直接協会の方へお尋ねください。
さてさて、今週も「朝比奈一本勝負」の更新を行ってます。
・ブルックナー…交響曲第2番
先週の3番と今週の2番は個人的に大好きな曲なんですが、一般的には人気はありませんねえ。良い曲なので、ぜひ一度聞いてみて下さい。
1月13日
今日は「朝比奈一本勝負」を更新してみました。
・ブルックナー…交響曲第3番
なぜ3番? と言いたい方もいるとは思いますが、マイナーナンバーを先にやっつけます。
さて来週は朝比奈協会のことをご報告できそうです。
1月5日
《年末年始はヒマ その6》
さて今日で休みも終わりだ! (ヒ〜ン)
リンク集に新しく
・♪ もみじおろしの家 ♪
を登録しました。
「あのコンサート、私は良かったけど、他の人はどうなのかしら?」と気になるコンサートがあれば、今すぐGO!
そして今日も「CD菜園s」の更新です。
・ブルックナー…交響曲第7番
・ベートーベン…交響曲第3番
ブル7はチェリ&ベルリンフィル、エロイカはフルベン52年とシューリヒト64年です。
1月3日
《年末年始はヒマ その5》
昨日に続いて今日は「CD菜園s」を更新しました。
・ニールセン…交響曲第4番
・シベリウス…交響曲第5番
ニールセンはヴァンスカを、シベリウスはコリンズ、ハンニカイネン、マゼールをそれぞれ登録しました。
ヒマなやっちゃな〜、とお思いでしょうが、ホントにヒマなんだからしょうがない。
1月2日
《年末年始はヒマ その4》
おけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
さてさて、今年最初の更新は「朝比奈一本勝負」です。
・ブルックナー…交響曲第7番
・ブルックナー…交響曲第9番
7番の方は東京交響楽団を新しく登録、9番の方は最近出た最後のブル9(CD・SACD)についての追加です。
しかしなんですな、SACDプレーヤー持ってないのに買っちゃう辺りマニア大爆発って感じですな。
12月31日
《年末年始はヒマ その3》
朝比奈隆追悼文集に付いていた、朝比奈最後のコンサートのCD(チャイコフスキー/交響曲第5番)を聞きました。
まず冒頭の不気味なほどのスローテンポに驚かされますが、最後まで持続する鬼気迫る緊張感と、不思議なほどの透明感が全編に漂ったものでした。巨匠最後の演奏と言うことを完全に抜きとしても非常に素晴らしい演奏と言えるでしょう。
ご希望の方は大フィルのチケットセンターに連絡して下さい。(チケットセンター:06-6656-4890 送料込み2,300円)
昨日に続いて佐渡裕&大阪センチュリーの第9をアップしました。
今年も誠にお世話になりました。来年もまたよろしくお願いします。では、良いお年を。
12月30日
《年末年始はヒマ その2》
今年の第9は29日・30日とも大当たりでした。こんなことは珍しいです。
今、朝比奈隆追悼文集を読んでいるんですが、それとは別に少しばかり書評などを
・「指揮者 朝比奈隆」(著/宇野功芳)河出書房新社
・「朝比奈隆 長生きこそ、最高の芸術」(文と写真/木之下晃)新潮社
まず功芳タンですが、これは過去に書いた文章をまとめただけの本で、宇野ファンなら目新しいものはまったくありません。
書き下ろしのはずの後書きでさえどこかで読んだ文章であり、しかも朝比奈最後のブル9のCDライナーと内容がまったく同じであるため、はっきり言って功芳ファン以外あまり買う価値のあるものとは言えません。
このひとももうろくしたね。
それよりも木之下さんの本は40年間に渡って朝比奈の身近にいた人物なだけに、素顔の巨匠を色濃く感じることができるものとなっています。
御大の死因が食道癌だったことや、特に体調を崩してからの御大や家族の件など思わず涙してしまいます。
写真も極めて豊富なので、買って損はない本だと思います。
頑張って井上ミッキー&大阪フィルの第9をアップしましたので、もしよろしければどうぞ。
12月29日
《年末年始はヒマ その1》
メリークリスマ〜ス!(遅いって)
みんなの所にサンタさんは来ましたか? 良い子じゃないのにボクの所にもサンタさんは来てくれたよ!
・朝比奈/大阪フィル ブルックナー…交響曲第9番(CD・SACD)
・朝比奈/大阪フィル チャイコフスキー…交響曲第6番「悲愴」
・朝比奈/陸上自衛隊東京音楽隊他 威風堂々
・小林/日本フィル マーラー…交響曲第2番「復活」
・小林/チェコフィル ブラームス…交響曲第2番
・佐渡/新日本フィル ベートーヴェン…交響曲第9番「合唱」
・木之下晃著「朝比奈隆 長生きこそ、最高の芸術」
・宇野功芳著「指揮者 朝比奈隆」
でも不思議なんだ。朝起きたら、サイフがとっても軽くなってたんだよ。
(休み中にこれらの簡単なレビューをここに掲載したいと思います)
お待たせしました。コバケン&名古屋フィルの第九をアップしました。