玄 関 口 【CD菜園s】 【コンサート道中膝栗毛】 【朝比奈一本勝負】

過去のひとこと(2005年後半版)


 2005年の7月から12月にかけて書いた「ひとこと」を並べています。よろしければ読んでください。

12月25日
 世間では3連休&クリスマスということで、大変充実した余暇を過ごしている方もいると思います。地方によっては雪が降ったので、ホワイトクリスマスとしゃれ込んだ人もいることでしょう。
 (゚Д゚)チッキショー!!
 その雪のおかげで、只今仕事がだだ遅れです。この1週間ほどはリゲイン飲んで、まじで1日20時間ほど戦っています。3連休ってなんですか? クリスマスってなんですか?
 
 と、いうことで、井上道義&大阪フィルによる第九はとてもとても楽しみにしておりましたが、断腸の思いで欠席することとしました。ああぁ……。
 
 サンタさん、お願いです。僕に時間をプレゼントしてください。
 
 下野竜也&大阪フィルによるアルカイックホールの第九はもう少し、もう少し待って……。
 
 
 さて、去年のこの欄でも紹介した(04年10月24日04年8月21日)ロ−ム・ミュージック・ファンデーションの第2巻が発売されます。
 今回も前回同様、現存する貴重なSPレコードからの復刻で、一般への販売は少数となる限定発売とのことです。
 この6枚組CDのなかでも特に注目したいのは、
・近衛秀麿&新交響楽団/マーラー:交響曲第4番
・貴志康一&ベルリンフィル/貴志康一の自作曲
・山田耕筰&ベルリンフィル/山田耕筰:交響詩「明治頌歌」
・近衛秀麿&ベルリンフィル/ハイドン:交響曲第91番、ムソルグスキー:禿山の一夜
 です。
 近衛さんのマーラーは昔デンオンからCDで復刻されていたような記憶がありますが、この演奏は当時世界で2番目(初めては2番の終楽章)、全曲演奏としては初めてとなる画期的な録音です。
 また戦前のベルリンフィル(フルヴェン時代)を日本人が振った演奏を聴くことができることも嬉しいことです。
 興味のある方はチェックしてみてください。
 (参考リンク:アリアCD(1番下のコラム)
 
 
 続いてはムラヴィンスキーのCDです。
 1973年の来日直前に本国で行ったリハーサルすべてを8枚組のCDで発売するという異常なほどマッドなボックスセットです。
 ムラヴィンスキーは録音に対して非常に神経質なので、リハーサル音源がまるまるCD5枚分も残っていたことは奇跡に等しいと言えます。
 また本番の録音であるベト4、ブラ4、ブル9も「最高の音質」と言っているので、大きな期待が持てます。
 現在、発売中ですが、追加プレスはしないそうなので、店頭から消えるとそれまでのようです。興味のある方はこれもチェックしてみてください。
 (参考リンク:アリアCD(1番上のコラム)HMV
 ちなみにHMVによると、「後日、販売元より、マニアに定評のある「天羽健三著ムラヴィンスキー全コンサートリスト」の2006年最新版をお届けいたします。」だそうです。これも楽しみです。
 
 
 最後にクリスマスということで、クラシックには全然関係ないですが、熱いフラッシュを一発。
 「俺がサンタだ!
 うし、これで自分に渇が入ったぜ。28日の佐渡&センチュリーの第九には行けるように頑張るぞ!

12月18日
 (゚∀゚)デキターー!
 先週、聴けない、聴けない、とぼやいていた「朝比奈隆&大阪フィル/ヨーロッパ公演(未発表音源)」ですが、何とか聴けるようになりました。
 
 その方法を簡単に箇条書きすると
1.ファイルをダウンロード
2.ファイルを解凍して、実行する。
3.メディアプレーヤーが著作権保護されたファイルの演奏に必要なIDとパスを聞いてくるので、それを入力する。
4.「ブラビッシモ!」のIDを持ってない人は「登録ボタン」を押して登録用ページに進み、必要事項を入力する。
5.続いてクレジットカードの入力をする。
6.登録が済むと3.に戻るので、直前に登録したIDとパスを入力する。
7.表示が変わるとStep2として、ライセンス購入の窓が開く。
8.ライセンスを購入すると、Step3としてライセンスを登録する。
9.すると表示が変わり、再生ボタンが押せるようになるので、それを押す。ぼちっとな。
10.幸せになる。
 
 このファイルはライセンスを受けたパソコンでないと聴くことは出来ません。(コピーしてもそれだけでは聴けない) ただ「ライセンス発行可能PC数:無制限」とのことなので、「ブラビッシモ!」のIDとパスを持ていれば、パソコン1台ごとにライセンスを発行してもらうことで、他のパソコンでも聴けるようになります。(料金は最初の1台分でOKです)
 またメディアプレイヤーの「書き込み」機能を使い、音楽CD(CD−DA)を作ることで、普通のCDプレーヤーでも聴けるようにすることが可能です。(元のWMAファイルより音質が向上することはありませんが)
 
 ここで強く言っておきたいことは、せっかく全曲で1575円と抑えた値段で、しかも再生回数:無制限、ライセンス発行可能PC数:無制限、とかなり自由にできる設定にしてくれているので、くれぐれも悪さはすんなよ、ということです。
 これが商的に成功したら、CDで発売しても採算が取れないような音源でも続いて配布される可能性がぐっと高まるではありませんか。何とかして軌道に乗せてやりましょうよ。
 
 で、ここでふと配信予定一覧表を覗くと
 「朝比奈隆&大阪フィル/ヨーロッパ公演2(未発表音源)」
 の文字が!
 ここしばらくは「ブラビッシモ!」から目が離せません。
 
 え? 演奏自体はどうだったのか? それは例のコーナーでやりますので、もう少し待ってください。
 
 
 オープニングコンサートの第9がDVDで発売されたばかりの佐渡裕&兵庫芸術文化センター管による新譜が発表されました。
 「祈り」
 と題を付けられたSACDで、どうもオムニバスのようです。現在の所、曲名やCDとのハイブリットかどうかがよく分かっていません。
 レーベルはAvex、SACD番号はAVCL25077、発売予定日は来年2月22日です。
 新たな情報が入りましたら、続報の形で再度紹介します。
(参考リンク:HMV
 それにしてもタワーレコードのメンテ、やけに長いですね。
 
 
 雪の中をついて下野竜也&大阪フィルによるアルカイックホールの第9に行って来ました。(タイトスケジュールでした) 例によってレビューはもう少し待ってください。
 名古屋はすごい雪でした。

12月11日
 先週も「忙しい」と愚痴りましたが、いま加速度的に忙しさがアップしてるのはどういうことですか? そんなに皆、私に過労死して欲しいのですか? ボーナスも雀の涙だし、やってられませんよ。 酒だ、酒。酒持って来ーい。
 
 と、訪問した方を鬱にさせる愚痴を言った所で、新しい情報です。
 
 11月18日のこの欄でお知らせした、音楽情報誌「月刊ぶらあぼ」の音楽配信サイト「ブラビッシモ!」で、「朝比奈隆&大阪フィル/ヨーロッパ公演(未発表音源)」の配信が始まりました。
 曲目はブルックナーの交響曲第7番で、演奏日は1975年10月20日、場所は当時西ドイツだったランダウのスターティシェ・フェストハーレでの演奏でした。
 時期的には大阪フィル初のヨーロッパ演奏旅行のもので、あの聖フローリアンの演奏から8日後のものとなっています。
 
 で、早速ダウンロードをやってみました!
 全4楽章のセットをクリックして、ダウンロードを開始します。そして、ダウンロードされた圧縮ファイルを展開すると4つのWMAファイルが生成されます。
 これをダブルクリックしてWindow Media Playerを起動させるとライセンス購入の指示が画面に……出ない!!
 どうも私のパソコンの設定が良くないようで、上手く行きません。失敗してしまいます。
 
 しか〜し、今の私には原因を解明している時間はな〜い!
 と、言う訳で試聴はお預けとなりました。_| ̄|○ 情けない……
 レビューはもう少し待ってください。
 
 この演奏は全4楽章なら税込み1575円となっており、Webだけの配信でCD等で発売する予定はなく、しかも期間限定(2006年3月3日まで)だそうなので、興味のある方は年末年始の休みを使ってダウンロードしてみてください。
 そうそうビットレートは192kbpsなので、音質も良い(はず)です。
 
 
 これから年末にかけて、マジで過酷な日々を送る予定なので、コンサート道中膝栗毛に上げていた4つの第九演奏会はひとつも行けなくなる可能性が出てきました。_| ̄|○ 何やってんだろ、俺……
 佐渡さんと兵庫芸術文化センター管による第九のDVDも買ったのですが、まだ見れてません。 (゚Д゚)チッキショー!!

12月4日
 師匠でもないのに走り回る季節がやってきました。
 と、言うわけで佐渡裕&兵庫芸術文化センター管弦楽団による第9のDVDは未だに見ることが出来てません。(それどころか家にも帰れないです。ひ〜ん)
 
 
 さて、
 読売日本交響楽団の常任指揮者がアルブレヒトさんからミスターSことスクロヴァチェフスキさんに交代することが発表されました。楽団の公式サイトにはまだですが、Webぶらあぼに記載されていました。
 任期は2007年から2009年の2年間だそうです。……先の話だな。(就任時には84歳かー)
 それでも、非常に魅力的な音楽を聴かせてくれる巨匠が日本のオケを選んでくれたことには、素直に歓喜の声を上げたいと思います。ヤッター! 今から就任が楽しみです。
 
 
 11月13日のこの欄でお知らせした、TokyoFMの朝比奈隆CDボックスセットですが、どうやら大阪フィルとのブル5が落ちて、新日フィルとのベト3・ブル4・ブル8による4枚組となりました。
(参考リンク:アリアCD(1番下のコラム)HMVタワーレコード
 値段は下がったのですが、全部持っている私みたいな人にとっては更に美味しくない変更と言えます。
 どうしてブル5だけ落ちたのか妄想するとなかなか楽しいのですが、取り敢えずブル5は違う形で再販されるのでしょう。期待して待とうではありませんか。
 
 
 今週はこの辺で。

11月27日
 すごすぎるCDを聴いてしまいました。
 
・宇野功芳の”すごすぎる世界”(EXTON OVCL-00107)
 冒頭、フィガロの結婚序曲の超スローテンポから異形の連続で面食らいました。しかもずっとスローテンポじゃなくて、ちょろちょろとテンポをいじくるのでせわしなくていけません。けれども普段聴き取れない旋律が聞こえてくるあたりは少し面白いと思いました。
 ライナーノートに「前回のCDでは失敗していたが」という記述がありましたが、あれではまるで今回の演奏が成功したかのような印象を受けるではないですか(笑)
 
 続くモーツァルトの交響曲第40番で特徴的だったのは、第1楽章の第1主題に強烈なポルタメントを掛けていたことです。ワルター&ウィーンフィルのように粋なオケならば非常に絵になるのでしょうが、大阪フィルみたいな野暮ったいオケがあんなことをすると、余りにも泥臭くて思わず噴き出しそうになりましたよ。
 
 3曲目はベートーベンの交響曲第5番でしたが、あの有名なモティーフ「ジャジャジャジャーン」をあれだけ大仰にやっている演奏は初めてでした。特にコーダ! 字で書くと「ジャッ、ジャッ、ジャッ、ジャ〜〜〜〜ン」×2でした。ハクション大魔王が出てくるんじゃないかとマジで周りを見渡しましたよ。
 宇野さんの演奏は第1楽章だけが強烈な表現を取っていて、後の楽章はまあ普通に変な演奏なのですが、この第5交響曲は第2楽章も異常で、その点は「おおっ」と思いました。(マラ9の終楽章ばりの超超スローテンポや超弱音がエキサイティングでした)
 
 アンコールで演奏されたハイドンのセレナーデは、まあへにょっとした演奏でした。
 それにしてもワルターがそうでしたが、この人もリピートを絶対に実行しませんね。
 
 
 ここで止せば良いのに、持っている宇野さんのCDを片っ端から聴いてみるという暴挙におよんでみました。
 新星フィルから充分に変な演奏でしたが、本格的に狂ったのはアンサンブルSAKURAとの演奏からのようです。
 (どんな要求にも応えてくれるアマオケで味をしめて、またそれが聴衆に受けたからでしょうか)
 
 普通の演奏家ならば、常識と言うか、格好悪いから出来ないような大仰な表現も、本業が批評家であるため、思うがままの自由に演奏している思い切りの良さが非常に魅力的であります。
 こんな強烈なキャラクターを持っている演奏は世界中を探してもここだけにしかありません。嗚呼日本人で良かった。
 
 しかし唯一掛け値無しで感心したことは、合唱の扱いです。(ベートーベンの第9交響曲)
 非常に音色が澄んでいてきれいなコーラスで、特に女声部の透明感は他のディスクでは聴けない美しさを持っていました。
 宇野さんが女声コーラスを中心に活動する理由が良く解る演奏でした。

11月18日
 音楽情報誌「月刊ぶらあぼ」の音楽配信サイト「ブラビッシモ!」がこのたびオープンいたしました。
 既出レコード音源だけでなく、演奏会のライブや未発表音源なども期間限定でダウンロード配信してくれるそうなので、非常に興味深いサービスが始まりました。
 まだ始まったばかりなので、たくさんのコンテンツがあるわけではないですが、サイトの右上にある“今後の配信予定音源”の項をながめると、気になる一文が目に入りました。
 
 F「朝比奈隆&大阪フィル/ヨーロッパ公演(未発表音源)」
 
 キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
 いつの演奏で、どの曲なのかは現段階では判りませんが、なかなかのキラーコンテンツと言えるでしょう。
 当然、これらは有料ダウンロードですが、CDより高音質での配信もあるそうなので、配信開始を楽しみに待つこととしましょう。
 
 
 もうひとつの話題。
 いや〜、待った甲斐がありました!
 
 F「ベルティーニ&都響/マーラー:交響曲第9番&10番」
 
 キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
 ついにベルティーニ&都響によるマーラーの交響曲第9番のリリースが決定したようです。
 実際にこの耳で聴きいて感動し、さらに握手までしてもらった思い出深い演奏をもう一度聴くことができる、と思ったらうれしくて仕方ありません。
 交響曲第10番の第1楽章がカップリングされた2枚組み。CD番号はFOCD9259/60で、12月20日の発売です。(SACDとのハイブリッド)
(参考リンク:HMVタワーアリアCD
 アリアCDは下から5番目のトピックスです。またベルティーニ&ケルン放送響とのマーラー全集も下から2番目に紹介されています。
 このコンビのマーラーは残す所1,2,3,5番となりましたが、1番はマイクを立てて録音していた所を実際に見ているので、何とか市販化して欲しいと強く希望します。
 
 
 さらにもうひとつの話題。
 先週アップした佐渡&兵庫芸術文化センター管弦楽団による第9のレビューには書いたのですが、この演奏会の様子がDVDとして今月の30日に発売される模様です。
 
 F「佐渡裕&兵庫芸術文化センター管弦楽団/ベートーベン:交響曲第9番」
 
 コンサートに行った人も、行かなかった人も、佐渡さんの音楽に興味がある方は一度チェックしてみてください。
(参考リンク:HMV

11月13日
 正直すまんかった。
 筋肉と一緒で、レビューするのに使う脳みそも使わなければ衰えることを実感いたしました。たいしたこと書いていないのですが、えらく難産となりました。
佐渡&兵庫芸術文化センター管弦楽団によるオープニングコンサート
 興味ある方はご閲覧ください。
 
 
 TokyoFMがリリースした朝比奈さんのCD4枚がBOXセットで発売されました。
「TOKYO FM 朝比奈隆1970年代ライブ集成」
・ブルックナー…交響曲第5番
・ベートーヴェン…交響曲第3番「英雄」
・ハイドン…交響曲第10番
・ブルックナー…交響曲第4番「ロマンティック」
・ハイドン…序曲ニ長調
・ブルックナー…交響曲第8番
(参考リンク:HMVタワーレコード
 ブル5のみ大阪フィルで、その他は新日フィルとなっております。
 特徴としてはプライスダウンと実相寺昭雄監督の書き下ろしエッセイが付くぐらいで、すでに持っている人にはほとんど甘みのない話かと思われます。
 また今回のBOXセットは限定盤とのことなので、これらのディスクは在庫がなくなり次第、順次廃盤となっていくことが予想されます。(他レーベルから再発売されるのかな?)
 
 
 1ヶ月引っ張ったネタですが、「他人鑑定」の結果報告をいたします。
 ご協力くださった方々、本当にありがとうございました。
 結果を眺めて思ったことは、鑑定者が増えると段々焦点がぼやけてしまいましたが、どの方も共通して“笑える”の項目だけは高評価を頂いたようです。読んで頂いた方に喜んでいただけたら、それは無上の喜びです。
 これからもみなさまのペットとしてお付き合いくださいませ(笑)

10月30日
 往生際が悪いですが、続行中です。
 「他人鑑定
 今週で終了しますので、駆け込み鑑定大歓迎です。私のことをイメージだけでガンガン鑑定してください。
 
 
 大植&大阪フィルによるSACD(CDとのハイブリッド)の発売が発表されました。
・マーラー/交響曲第6番「悲劇的」 (FOCD9253) HMVTOWER
・ショスタコーヴィッチ/交響曲第7番「レニングラード」 (FOCD9255) HMVTOWER
・ブルックナー/交響曲第8番 (FOCD9256) HMVTOWER
 以上の3枚です。
 いつ出るのかと首を長〜くして待っていた演奏がついに発売です。気になる発売日は12月12日です。まさにクリスマス商戦。
 それよりも、マーラーの「復活」はまだですか?
 
 
 第48回大阪国際フェスティバルの内容が発表されました。
 日程・主演者・曲目等の詳細は朝日新聞アスパラクラブの記事を参照してください。
 年々しょぼくなって、今では完全にNHK音楽祭に喰われてしまっている大阪国際フェスティバルでしたが、今回はやや息を吹き返したと思えるラインナップでした。
 能とバレエも魅力的ですが、クラシックに焦点を絞ると、気になるコンサートとしてはミッシャ・マイスキーを迎えての広上&センチュリーのシューマンとショスタコーヴィッチのチェロ協奏曲や大植&大阪フィルによるマーラーの交響曲第5番が挙げられます。
 特に大フィルが大阪国際フェスティバルに出演するのは久しぶり、かつ演目がマーラーということで期待の大きい演奏会と言えるでしょう。
(大植&大フィルのマーラーは残す所、4番、7番、8番、9番、大地の歌、と手強いのが残りました)
 
 
 先週お知らせした
・オーケストラで綴る抒情歌/朝比奈隆指揮
 ですが、曲目が判明しました。(下記の参考リンクを参照)
 朝比奈&大阪フィルの演奏は全40曲の4割ほどで、その他は別のオーケストラが担当しております。
 長らく廃盤だったので、この期にゲットするのも悪くはないと思います。
(参考リンク:HMVタワーレコードアマゾン
 
 
 これも先週お知らせした宇野功芳さん関係の話題ですが、何やら宇野さんのCDが色々と再プレスされている模様です。
 試しにアマゾンで“宇野功芳”と検索してみる。
 ……少し前はこんなにも購入可能なアイテムはなかったと記憶しているのですが、これも“すごすぎる世界”のすごすぎる効果なのでしょうか?
 
 
 佐渡&兵庫芸術文化センター管弦楽団による第9のレビューはもう少し待ってください。
 変わろうとする佐渡さんの音楽を肌で感じて来ました。

10月23日
 性懲りもなくまだ募集中です。
 「他人鑑定
 これは何だと言いますと、特定の人を複数の人間で勝手に鑑定できるCGIです。私のことをイメージだけでガンガン鑑定してください。
 
 
 朝比奈隆のCDが復刻されるとの情報をキャッチしました。
・<COLEZO!TWIN>オーケストラで綴る抒情歌/朝比奈隆指揮
 
 山田耕作らが作曲した日本の歌唱曲をまとめたセット物の中に、管弦楽のみに編曲されたものを集めた1枚がありまして、今回それが復刻される模様です。演奏はもちろん朝比奈さんと大阪フィルです。
 (2枚組みらしいのですが、枚数が曲数に対して少し多いので、まだ判らない部分があります。判り次第続報をお知らせします)
 CD番号はVICC-41208で、発売予定日は12月16日となってます。ちなみに元々はLPでしたが、CDで発売されたこともあります。
 朝比奈さんらしいゆったりとした響きで、聴くと穏やかな気分にさせてくれる演奏ですから、幼少の頃に聴いた童謡が懐かしいと思える方にお薦めできます。
(参考リンク:タワーレコード
 
 
 冗談かと思っていたら、本当に発売される模様です。
・宇野功芳の”すごすぎる世界” (EXTON OVCL-00107 )
 
 ゲテ好きな方、お待ちどう様でした(笑) 宇野功芳さんが今年4月10日に大阪フィルを振ったライブ録音が発売になるようです。
 曲目は「フィガロの結婚」序曲、モツ40、ベト5、ハイドンのセレナードとなっております。
 アリアCDの紹介文(下から2番目)を読んだだけで、どの名盤からコラージュされたか判るような気になるから不思議です。その一方で、なぜか聴いてみたくなるのが功芳クオリティーなのでしょうか? 発売は今月26日です。
(参考リンク:アリアCDタワーレコードアマゾン
 それにしてもタワーの紹介文が笑えます。(エクストン提供の文章だろうけど)
 
 
 最後に余談ですが、ここしばらくは情報誌“ぶらあぼ”の動きに注目したいです。

10月16日
 もう7年も経ってしまいました。
 98年10月18日にこっそりと始めたこの「石田工房」も随分と月日を重ねてきました。こんなに続けられたのもひとえに訪問してくださる方々のお力添えがあったからだと思います。心より感謝いたします。
 私自身も気が付けば、シューベルトを超え、ついにモーツァルトの死んだ年齢となってしまいました。彼らと比べて自分は何を残せているのか、甚だ疑問の浮かぶ日々を過ごしていますが、今より少しでも実のあるモノを残すべく精進していく所存でありますので、今後もよろしくお願いいたします。
 
 と、堅苦しい文章を書いたのですが、6周年のご挨拶をアップしたのがついさっきのような気がするのは、私が確実におっさん化しているってことですか?(笑) 月日の経つのが恐ろしいくらいに早いです。(こうやって知らないうちに人は朽ちていくのですね)
 何はともあれ頑張ります!
 
 
 このままで終わるのもなんですが、今週はマジでネタがありませんので、軽いお遊びをひとつ。
 「他人鑑定
 要はある特定の人を、複数の人間で勝手に鑑定できるCGIです。Webをさまよっているうちに見つけたのですが、面白そうだったので登録してみました。
 私のことをイメージだけでガンガン鑑定してください。結果は非公開にもできますが、誰が鑑定しているのかなんて絶対に判らないので、安心して晒してくださいませ。一緒に笑いましょう。

10月9日
 先日発売された、朝比奈隆&大阪フィルのシベリウスを聴きました。
 まずウンチクですが、意外なことに、朝比奈さんが大阪フィル(関西響時代も含む)の定期演奏会で最も多く演奏した交響曲はベートーベンでもブラームスでもなく、実はこのシベリウスの2番なんです。加えて1970年代までの日本におけるシベリウスの演奏回数でも、あのシベリウス演奏のパイオニアである渡邉暁雄さんの次に位置するくらい、言わば得意としていた曲だったのです。
 で、実際に聴いてみました。
 すっきりした曲運びで、素朴な歌い口をしており、過度なカンタービレなど一切ない非常にストイックな演奏です。1999年に聴いた演奏と基本的に同じ(アンサンブルが怪しくなる所もまるっきり同じ)ですが、終楽章コーダの爆発力がやや弱く、あっけなく終わる感じが少しします。しかし中間2楽章での楽想の切り替えが非常にスムーズで、その辺の構成力はやはり見事でした。
 アンコールとして演奏されたハンガリー舞曲の1番とベートーベンのトルコ行進曲も収録されていますが、こちらの方が勢いがあって存分に歌い切れている気がします。
 音質の方は約30年前の記録だとは感じさせない非常にフレッシュな音で収録されています。
 
 
 あと、大阪フィルの「第9シンフォニーの夕べ」をチケットゲットしたので、膝栗毛の方に登録しました。これで今年に行くコンサートの入場券はすべて押さえました。残すは実際に行くだけです。

10月2日
 最近、井上道義さんのCDを一気聴きしたんですよ、
 全部マーラーの交響曲で、
 ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団との4番、5番、6番
 新日本フィルハーモニー交響楽団との1番、6番、9番
 レーベルはロイヤルフィルとがキャニオンで、新日フィルとがエクストンです。
 
 このなかでも4番と6番が良かったと感じました。特に6番が両方の盤とも自分好みのテンポ設定で、第1・2楽章のスローテンポにはしびれてしまいました。また4番のリリックな風情は非常に魅力的でした。
 両盤に基本的なアプローチの違いはありませんでしたが、音色の練れたロイヤルフィルと音楽の熟成が進んだ新日本フィルという差がありました。
 新日本フィルとの1番は例の指揮台で大の字事件があったためか全体に固く、9番ももうひとつでしたが、6番だけは非常にエネルギッシュな曲運びでした。ただ前2楽章のスローテンポでスタミナを使い切ってしまったのか終楽章はボロボロでしたが……。
 ロイヤルフィルはオケに妙なよそよそしさがあるのですが、5番では気合一発ど根性といった肝の据わった音楽を展開しており、なかなか堂の入ったものとなっていました。そして4番はロイヤルフィルがチャーミングな音を出しており、非常に美しい音楽でした。
 
 しかし全体的に何か突き抜けるものがなく、いい演奏なのに「また聴きたい」と思わせるものが薄いと思いました。(ロイヤルフィルとの6番なんか特にそう思いました)
 井上さんは化けるとものすごい指揮者になれると、また化けれる要素がある指揮者だと思うので、井上さんにはもっと音楽的に“狂って”欲しいと思いました。
 と、言うわけで年末の第9に期待です。

9月25日
 大フィルレーベルが新譜を発表しました。
 
 大阪フィル・ヨーロッパ・ライヴ・シリーズ ’75 第4弾
・シベリウス…交響曲第2番
・ブラームス…ハンガリー舞曲より第1番
・ベートーベン…劇付随音楽「アテネの廃墟」より「トルコ行進曲」
 1975年10月16日にイタリアはベネチアのテアトロ・フェニーチェで行われた演奏会の模様です。今回が初出となります。
 演奏はもちろん朝比奈隆&大阪フィルハーモニー交響楽団。CD番号はGDOP2010。全曲がCD1枚に収められており、気になる発売日は10月7日となっています。
(参考リンク:HMVタワーレコード
 
 70年代にひとつの頂点を迎えた朝比奈の音楽が最も克明に堪能できるヨーロッパツアーのライブ録音が無事に発売される運びとなりました。
 このシリーズが第5弾、第6弾と順調に発売されることを強く希望します。
 
 
 さて話題のCDをひとつ。
・ブラームス…交響曲第1番(千秋真一&R☆Sオーケストラ)
 フランスのプラティニ国際指揮者コンクールで見事1位に輝き、現在ルー・マルレ・オーケストラの常任指揮者である若き俊英、千秋真一さんが自ら組織したR☆S(ライジング・スター)オーケストラを指揮してこのたびCDデビューを飾りました。
 曲目はブラームスの交響曲第1番。そしてプラティニ国際指揮者コンクールの課題として出された間違い探しを再現したドボルザークの交響曲第8番第1楽章が収録されています。
 レーベルはキングレコード、CD番号はKICC555、すでに発売となっています。
(参考リンク:HMVタワーレコードアマゾン
 
 ???
 ハテナマークが浮かびまくった方はごめんなさい。実は“のだめカンタービレ”というクラシック音楽を題材とした人気マンガの登場人物を使ったCDなのでした。(参考リンク:作者の二ノ宮知子さんのサイト
 ジャケットから盤面まで気合が入ってますし、ライナーノートは作中に登場する音楽評論家が書いています。また録音データまでが指揮者やオケが実在するものとして書いてあり、そのなりきり具合は完璧です。お見事。
 で、肝心の演奏内容ですが、仮面プレーヤーがどんな方々かは判りませんが、アマオケにしては上手いし、プロオケにしては若干甘い所のあるものでしたが、しっかりとした技術に裏打ちされた演奏で、不満に思う所はありませんでした。
 全体に中庸なテンポを採ってましたが、音楽の流れが非常に良く、それでいて決して軽くならないのが好感を得ました。またひとつひとつの音形を丁寧に形成して、それをガッチリと積み上げていくアプローチはまさしく真一らしいと言えました。加えてプレイヤー全員の演奏に込める気迫が伝わってくるもので、ブラームスのクライマックスはなかなか盛り上がります。(最後のコラールはビックリした)
 ただ作中で真一の音楽は遅いテンポで哲学的な音楽だと描写しているので、その辺りはもっと暗い音色にしても構わなかったと感じました。(もっと黒王子っぽさを!)
 それにしてもルー・マルレ・オーケストラの前任常任指揮者が現東京都交響楽団の常任指揮者であるデプリーストさんだったとは驚きましたぞ(笑)。
 ちなみにマンガも面白いので、興味が湧いた方はぜひに。

9月18日
 当工房のアクセスカウンターが皆様のおかげを持ちまして、ついに5万アクセスを突破いたしました。これはきっちり6ヶ月でのべ1万人の方々にご訪問いただけた計算となります。皆様のご愛顧に深く感謝いたします。
 今後も皆様のご期待に副えられるよう更新していく所存でありますので、どうかよろしくお願い致します。
 
 さて先々週、この欄に第九の演奏会をずらずらと列挙しましたが、そのうちで
大阪フィルハーモニー交響楽団 第25回アルカイック定期
大阪フィルハーモニー交響楽団 「躍動の第九」
大阪センチュリー交響楽団 「21世紀の第九」
 以上3つのチケットを購入しました。「コンサート道中膝栗毛」にデータを登録しましたので、興味のある方は覗いてみてください。
 あとは大阪フィルの「第9シンフォニーの夕べ」を買えば05年の演奏会はすべて購入となります。
 今年行く演奏会の数は確かに少ないですが、その分ガツンと気合入れて行くぞー!

9月11日
 朝比奈隆&関西フィルハーモニー交響楽団の新譜聴きました。
 曲目はハイドンの交響曲第19番、ベートーベンの交響曲第8番、シューマンの交響曲第4番となっており、これらすべてがCD1枚に収録されていました。
 
 関西フィルといえば、ちょっと線が細いけれど繊細な音を出すイメージを持ちますが、この演奏では低音から力強く鳴り響いた音を出していてその違いに驚いてしまいます。
 一方、80年代後半の朝比奈さんといえば、遅いインテンポで朗々とオケを鳴らすイメージを持ちますが、速めのテンポでシャキシャキと進む音楽を展開していて、それにも驚いてしまいます。
 この両者の個性がせめぎ合う様子が非常に面白く、ベートーベンではそれが顕著に現れていました。
 朝比奈流に面食らったのか、弦の刻みをきちっと刻めずトレモロのように崩れてしまっていたり、第1楽章の主題提示部をリピートする際、mfぐらいに弱く出てしまったりしていました。そして速めの第1〜3楽章に対して、「俺の言うことを聞け!」と言っている様な第4楽章のスローテンポにメロメロとなってしまうアンサンブルがとてもエキサイティングでした。
 
 シューマンではベートーベンで見られた激突は影をひそめ、堂々とした熱い音楽が展開された良い演奏でした。
 蛇足ですが、ハイドンは椅子に座って指揮したそうです。朝比奈さんが椅子に座ったのはこれを除くと「指輪」とアフィニス音楽祭でのジークフリート牧歌ぐらいでしょうか?
 
 このCDは朝比奈ファンが楽しめることは間違いありませんが、それより関西フィルファンの方がもっと楽しめる演奏だと思います。これほどオケと指揮者がその個性をぶつけ合った演奏は珍しいと言えるでしょう。
 
 それにしても「焼きソバつくっとんかい」、ライナーノート面白すぎ。音質良好。グッドジョブ!

9月4日
 9月に入りますと、年末にする第9の演奏会がぼちぼちと発表されますが、関西プロオケの演奏会を分かる範囲でピックアップしてみました。(見にくいですが、どうかご容赦を)
 
 
 大阪フィル
・12月18日(日) 尼崎アルカイックホール/下野竜也/ぺルト…カントゥス(ベンジャミン・ブリテンの追悼)/ぴあ:206-430、e+(発売中)
 
・12月25日(日) ザ・シンフォニーホール/井上道義/ぴあ:208-271、e+(9月11日発売開始)
 
・12月30日(金) フェスティバルホール/尾高忠明/ぴあ:未定、e+(10月1日発売開始)
 
 
 大阪センチュリー
・12月19日(月) フェスティバルホール/外山雄三/ぴあ:210-638、e+(9月8日発売開始)
 
・12月27日(火) 28日(水) ザ・シンフォニーホール/佐渡裕/ぴあ:208-272、e+(9月11日発売開始)
 
 
 関西フィル
・12月17日(土) ザ・シンフォニーホール/飯守泰次郎/ワーグナー…楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲/ぴあ:202-513、e+(9月12日発売開始)
 
・12月18日(日)文化パルク城陽 プラムホール/藤岡幸夫/ぴあ:211-485、e+(9月10日発売開始)
 
 
 大阪シンフォニカー
・12月21日(水) ザ・シンフォニーホール/大山平一郎/ モーツァルト…Vn協奏曲第3番/ぴあ:209-140、e+(発売中)
 
 
 兵庫芸術文化センター管弦楽団
 
・10月22日(土) 23日(日) 30日(日) 兵庫県立芸術文化センター/佐渡裕/ぴあ:196-350、e+(売切れ)
・10月27日(木) 29日(土) 兵庫県立芸術文化センター/佐渡裕/ぴあ:200-923、e+(売切れ)
 
 
 テレマン室内管弦楽団
・12月24日(土) ザ・シンフォニーホール/延原武春/後半はオムニバス/ぴあ:208-269、e+(9月11日発売開始)
 
 
 ざっと眺めて気が付いたこととして、佐渡さん&センチュリーの公演が去年の3日公演から2日公演に凝縮されたこと、大阪フィルのフェスでの演奏が朝比奈さんの命日である29日から外れたこと、そして大阪フィルがシンフォニーホールでの演奏を復活させたこと、なんかが挙げられます。
 特に大阪フィルが29日を外してしまったのには「?」が飛びまくるのですが、何か都合が悪かったのでしょうか?
 その他には兵庫芸術文化センター管弦楽団(良い略称が欲しい)のオープニングコンサートでもあるこれらの演奏会がすべてソールドアウトとなっていました。5日間全部のチケットをさばくとは、このオケに対する期待のでかさがうかがい知れます。
 
 あとは個人的なことですが、ぺルトのカントゥス(ベンジャミン・ブリテンの追悼)という曲が死ぬほど好きなんで、下野さん&大阪フィルの尼崎公演にはなるだけ行きたいと思っています。
 さあ、電話のリダイヤルを押しまくるシーズンがやって来ましたよ。

8月28日
 残暑を吹き飛ばす熱いカンフル剤を一発。
 
・朝比奈隆&関西フィルハーモニー管弦楽団
 ハイドン…交響曲第19番 ニ長調
 ベートーベン…交響曲第8番 ヘ長調
 シューマン…交響曲第4番 ニ短調
 
 1987年6月16日に関フィルの定期に立ったライブ録音です。同楽団唯一の客演となりました。
 会場はザ・シンフォニーホールで、関フィルの記録用音源をマスターとしたようです。
 レーベルはコジマ録音、CD番号はALCD8015。なお全曲が1枚に収録されています。気になる発売日は9月7日となっています。
 この演奏は関西フィルの歴史でも名演として語り継がれている演奏で、今回が初出となっております。市販化へと漕ぎ着けた関係者の方々には深く感謝いたします。
 
 何はともあれ選挙の後にはショップへGOだ!
(参考リンク:HMVタワーレコード
 
 
 つ、次は札幌交響楽団をお願いします!

8月21日
 残暑お見舞い申し上げます。
 盛夏は過ぎた、はずですが、雨ばっかりでどうも蒸し暑い日が続きますね。そこで暑気払い代わりにブルックナーのCDを数枚紹介したいと思います。
 
・ハイティンク&ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団/8番 (RCO LIVE RCO05003)
 ドレステン国立歌劇場管と来日したときの8番が印象深いですが、この演奏も非常に熟成された音楽となっていて、とても心地好いものとなっています。
 ただ終楽章のアンサンブルの壊れっぷりが凄まじく、正直「よく市販化したな」と思いましたよ。これに比べると日本の某巨匠の演奏が非常に可愛く見えてきます(笑)
 とても良い味を出しているとは思いますが、アンサンブル至上主義の方には間違ってもお薦めできません。
 
・リヒター&ベルリン放送交響楽団/4番 (Altus ALT068)
 バッハで名を知られたリヒターが振ったブルックナーです。
 テンポの付け方がかなり個性的で、インテンポで滅私の境地で進む演奏とはほど遠い所にある演奏だと思います。でも、聴き進むうちに旋律のひとつひとつが聖書の一節々々を語りかけてくるような感覚になるから不思議です。(アクセントの付け方と全曲でその統一がなされているからだと思いますが) 非常に説得力の強い演奏です。
 表現はなかなか劇的で全体の構成もしっかりとしているので、個性的ながら最後まで楽しく聴くことができました。
 
・クナッパーツブッシュ&ウィーンフィルハーモニー管弦楽団/3番 (Altus ALT071)
 拍手の中いきなりおっぱじめるのがクナらしいですが、演奏のほうも大変大きなスケールで堂々としたものです。結構難しい曲のはずですが、流れるように演奏が進みます。逸話でクナは練習が嫌いだったと聞いていますが、もしそうならこのひとのバトンテクニックは凄まじいものだったに違いありません。(それにしても演奏後の醒めた拍手が素敵)
 
・シューリヒト&ウィーンフィルハーモニー管弦楽団/9番 (Altus ALT080)
・シューリヒト&ウィーンフィルハーモニー管弦楽団/8番 (Altus ALT085)
・シューリヒト&ウィーンフィルハーモニー管弦楽団/5番 (Altus ALT098)
 最後はシューリヒト3連発です。
 シューリヒトと言えば私の勝手なイメージでは仙人のような滅私の心境で進むブルックナーがあります。しかし、この3つの演奏はどれもが非常にドラマティックで激烈な表現を持ったものでした。(あまりのテンポの落差にオケがまったくついていけてない所もありました)
 ベートーベンやブラームスではそんな激しさがないので、シューリヒトはブルックナーの交響曲をロマン的にとらえていたのかと思うのですが、残されている演奏にはインテンポを守り通したものもあり、なかなかとらえ所がありません。
 上記3つの演奏はフルヴェン顔負けの激烈な演奏が繰り広げられるものですので、よほどのシューリヒトファンでもない限り敬遠しとくのが吉だと思います。
 
 
 リヒターの演奏が非常に面白かった以外はもうひとつ、と言うのが正直な感想です。特にシューリヒトのものは「正規盤として初出」と言うふれこみだっただけに少し拍子抜けでした。
 ちなみに、ウィーンフィルの演奏はオーストリア放送協会提供ですので、例によってアイヒンガー氏とクラウス氏の名前がクレジットされています。

8月7日
 今週はTOKYO FMから発売された渡邉暁雄さん指揮のCDを2枚紹介します。
 
・マーラー/交響曲第2番「復活」(TFMC-0013/14)
 管弦楽:日本フィルハーモニー交響楽団
 
・シベリウス/交響曲第1番&第2番(TFMC-0010/11)
 管弦楽:東京都交響楽団
 
 渡邉さんというと上品で暖かい音楽を造るイメージがありましたが、これらの演奏は冒頭から熱いくらいの情熱がほとばしるものでした。
 特に「復活」のクライマックスではあまりの高揚感に我を忘れてしまうほど興奮してしまいました。この指揮者に対する認識を180°転換させてしまうほどの圧倒的なインパクトのある演奏です。
 また渡邉さんのトレードマークというべきシベリウスも冒頭から気迫が漲っていて、1番では叙事詩的な壮大さがあり、数多のディクス中でも最高の一角を担う演奏です。そして2番も緻密に計算された構成のなか、フィナーレのコーダで確実にクライマックスを築くあたり、両方とも素晴らしい演奏でした。
 渡邉さんらしいスマートさ、暖かさ、整然とした感じは従来どおりで、それプラス上に書いたものが加わった音楽となっていました。シベリウスの全集で受けたイメージとかなり違ったのが意外でした。
 
 生前あまりレコードに恵まれなかった渡邉さんですが、最近になってやっと再評価が進んでいることが嬉しく思います。こういった地味でも良い味を持った演奏家にもっと光があたることを希望します。(山田一雄さんなんかもっと悲惨な状況です。何とかならないものでしょうか)
 
 さてさて、暑い日はまだまだ続きますが、こんな時はブルックナーみたいな暑っ苦しい音楽を聴いて暑気を吹き飛ばしてしまいましょう。

7月31日
 夏休み推薦図書はこれだ!
 
 さて、夏休み到来ということで(それは学生だけだって……)、実際に私が購入して読了した書籍の中から、面白かったものを今回4冊ほどご紹介したいと思います。
 
・クラシック中毒 (著:平林直哉、刊:青弓社)ISBN4-7872-7171-7
・クラシック100バカ (著:平林直哉、刊:青弓社)ISBN4-7872-7189-X
 メールまでもらっときながら、全然レビューを書いてませんでした。
 まず「クラシック中毒」の方ですが、「MJ無線と実験」と言う月刊誌に連載してた記事をメインにまとめたもので、演奏者を中心に据えて何枚かのCDを紹介するスタイルを採っています。
 取り上げた演奏者の6割ほどが指揮者で、次いでヴァイオリニスト、ピアニスト、弦楽四重奏団と続きますが、超有名どころはなく、ちょっとひねってある人選が妙に心のツボにはまりました。推薦CDは直球と変化球がバランスよく混ざっていて、ガイドとして優れたものですし、演奏者への評論も「なるほど」と膝を叩かせるもので、私にとってすんなりと受け入れられるものでした。
 
 次の「クラシック100バカ」ですが、このタイトルは「オーディオ100バカ」と言う名著からもじった物だと思います。この本は書下ろしです。
 平林さんの一本気な気質がもろに出たものですが、読み進むうちに「こんな人いるいる」「うおー、これ俺のことじゃないかー」と心当たりが連発します。
 この本を読んでマジで怒ってしまった人がいたそうですが、こういうネタを笑えるのが本当の大人だと思います。怒った人は図星でも指されたのでしょうか?
 一方、笑いを取るだけでなく、どうして「バカ」なのかと論じる文は一本筋が通っていて、ただ重箱の隅を突付くだけの本ではありませんでした。最後は自虐ネタで締めるのがなお良し。
 
・クラシックは死なない! (著:松本大輔、刊:青弓社)ISBN4-7872-7174-1
 当工房でもちょくちょくネタ元にさせてもらっているアリアCDの店主であるラスコルさん初めての本です。
 アリアCDで発行しているインフォメーションに書かれた文章をピックアップしたもので、海外盤CDについての紹介文が掲載されています。
 インフォメーションに書かれた文なので宣伝が主な目的でありますが、そう言った商売的思惑を突き抜けた「この演奏の素晴らしさをみんなにも知って欲しい」という情熱がひしひしと伝わってくるもので、思わず本当に聴きたくなります。(実際に買ったものも多いし……) 誰もが知っているメジャーなタイトルなんかありません。しかし「そんなCDが世の中にはあるのか……」と目から鱗が落ちること請け合いです。
 この音楽に対する愛情と真面目さがこの人の魅力であり、ひいては店への評判とつながっているんだと思います。
 余談ですが、チェリビダッケのリスボンライブについて問い合わせをした客とは私のことです(下手な自慢はみっともないぜ)。あの時のプチお祭り騒ぎは今となっては懐かしい限りです。
 
・オレのクラシック (著:許光俊、刊:青弓社)ISBN4-7872-7197-0
 今一番ホットな音楽評論家、許センセの新刊です。
 HMVのウェブサイトで発表されたCD評に音楽評論(と言うかほとんど随筆)を前半に書き下ろした構成となっています。
 「聴いて気に入ったものだけを評論する」スタイルで、ずばずばモノを言いながら揺らぐことのない美意識を元に論評していく様は大変おもしろく、一気に読んでしまいました。これだけ活きの良い論評を書ける人があと何人いるのでしょうか。
 ただ惜しむらくはこの人とは音楽的趣向が全然合わないので、書いている内容自体はまったく受け入れることができません。
 最近、同じような本ばかり連発していた許さんですが、久々に読んで面白いと思える本でした。しかしちょっと前はその演奏者の欠点(と言うか嫌いな点)を明け透けに書いていたのに、この書ではその所の明言を回避した物言いになっていたのが少々物足りなかったりしました。
 それにしても、この本で一番面白かったのは大学の内情話だったので、ぜひそっち方面の本も書いてください。
 
 
 話は変わって、大植さんがバイロイトで振った「トリスタンとイゾルテ」がバルトーク・ラジオでダウンロードできる件ですが、月曜日の24時ぐらいから順番に消えて行く模様ですので、まだの人はお急ぎください。詳しい方法は7月26日の当欄をご参照ください
 
 私事で申し訳ないですが、私は他所のサイトや書籍からネタを拾ったときは、必ず引用を明記するように心がけています。それが汗水たらして元ネタを作ってくれた方(例えその方が匿名であっても)へのお礼であり礼儀だと思うのですが、どうでしょう?

7月26日
 昨晩は遅くまでお疲れ様でした。
 
 世の中には親切な方がいるもんで、昨日の晩にネットラジオで生中継していたバイロイト音楽祭の「トリスタンとイゾルテ」をダウンロードして聴ける方法が2chに書き込んであったので改めて紹介します。
1.まずハンガリーのバルトーク・ラジオへ行きます。
2.次に表の中から“Hetfo”の列を見ます。そして“16 ora”から“22 ora”の行を探します。(ハンガリー語なのでアルファベットに見慣れない記号がついてますが、それはフィーリングで)
3.2つあるファイル形式(“Ha”と“Le”)のうち、お好きな方(MP3の方が再生が楽かな? それだと“Le”の方)を右クリックして「対象をファイルで保存」でダウンロードします。
 
 全部で7つのファイル(約57Mb×7)をダウンロードするわけですが、これらのファイルはラジオ放送そのままを1時間ごとに区切ったものですので、いろいろなツールを使って編集すると全部をスムーズにつなげて聴くことも出来ます。(2chにはそのツールも紹介してありましたが、いまいち使いにくい)
 ただ本当は15時55分から開演のファンファーレが鳴りますので、そこから聴きたい方は“15 ora”からダウンロードしてください。
 
 さあ、これで大植英次の晴れ舞台を堪能しようではないか!
 
 ちなみに“Hetfo”とは月曜日と言う意味だそうで、現地時間の来週月曜日には別の放送に置き変わってしまうので、期間限定です。お熱いうちに。(余談ですが“ora”は時刻の“時”です)
 
 
 え〜っと
 24日にも更新していたのですが、余りにも早く書き換えちゃったので、もし「まだ読んでないよ」と言う方はここをご覧ください

7月24日
 最近“マイヤヒ”と“俺の話を聞け!”に夢中です。
 
 
 さて、今週も国内のレーベルを中心に寸評を少々。
 
 
・クーベリック&チェコフィルハーモニー/スメタナ:我が祖国 (Altus ALT092)
 もはや伝説となったサントリーホールでの演奏です。発売に漕ぎ着けたAltusには感謝!です。
 演奏の方はクーベリックが高齢ということもあって、ほころびの多くある演奏ですが、旋律ひとつひとつに魂がこもった凄まじい演奏です。チェコやスロバキアを良く知らない私ですら心より深く感動することが出来るものでした。
 特にチェコフィルの能力が全開となっていて、濃厚な歌い口と音符の細かい所まで綿密にニュアンスを込めているのが素晴らしいです。
 冒頭から気合いっぱいですが、曲が進むにつれ更に集中力が上がっていき、終曲での盛り上がりは筆舌に尽くしがたいものがありました。
 
 
・マタチッチ&NHK交響楽団/スメタナ:我が祖国 (Altus ALT092)
 で、こちらは30年前にNHKホールで演奏された「我が祖国」です。
 さすがにチェコフィルと比べるのは酷ですが、68年における国内オーケストラの水準を考えると非常に上出来の演奏です。特に全楽器が鳴り切って分厚い音が出ているのはマタチッチのなせる技だと思います。
 演奏はアクセントの取り方に注意を払っていて、実に細かいリズムを形成しています。これが後半になると生き生きと躍動していき、豪快なクライマックスは非常に気持ちいいものでした。
 また感心したのは第1曲「高い城」のテーマを全曲の主題として、他の曲に近似のモチーフがあればそれをほんのりと浮かび上がらせて統一感を出していたことです。
 それにしてもマタチッチとN響はよほど相性が良かったようで、このコンビによる他の演奏もAltusから発売されていますが、非常に個性的でかつ面白い演奏ばかりとなっています。
 
 
 「我が祖国」は決してチェコ人だけの音楽ではないと思います。特にクーベリックのものを聴くとその思いを強くします。
 それはそうと、コバケンが「プラハの春音楽祭」で振った「我が祖国」はエクストンが録音したはずなんですが、それを発売する計画は中止になったんでしたっけ?
 今週はこのへんで。

7月17日
 最近聴いたCDから寸評をひとつふたつ。
 
・小林研一郎&日本フィルのマーラー:交響曲第1番 (エクストン:OVCL-00205)SACDとのハイブリッド
 私が持っているだけでもコバケン3枚目の“巨人”です。第1楽章に限定して言えば、数多ある同ディスク中でも最高の1枚です。まあその分、うなり声についても間違いなく最強です(笑) もう“うなる”と言うより主旋律をずっと“歌いっぱなし”の状態です。しかし吹き上げるような情熱が非常に素晴らしく、コーダの爽快感は格別です。
 あとの楽章はいつものコバケンです。特に終楽章コーダでのアッチェレランド(急加速)がどの演奏を聴いても同じ様に聴こえてしまい、そこに至る流れをすべてぶった切っているような気がして仕方ありません。悪い意味のマンネリで、演奏の出来はオケがコバケンの指揮に乗れるかどうかだけに掛かっているような感じです。
 
 
・西本智実&ロシア・ポリジョイ交響楽団”ミレニアム”のショスタコーヴィッチ:交響曲第5番 (キング:KICC-398)
 ちょっと古いCDですが、ご容赦。
 このコンビによる同曲を実演で聴いたことがあり、そこでは結構ボロクソに書きましたが、ちょっと印象が違いました。
 普通は盛り上がる所でテンポを上げるものですが、西本さんは逆にガクンとテンポを落とし込みます。一方、何でもない所で激しいテンポアップを行っていました。要は非常に感覚的で、他の指揮者とは違う個性のひらめきを感じ、聴いてて面白かったです。
 またショスタコにはエッジの効いたするどい音を期待してしまいますが、西本さんはエッジを丸くして滑らかな感じにしていました。これも個性かもしれません。
 ただ実演で感じた、打楽器を派手にぶち鳴らすのはこのCDでも同じで、かなりの音圧で収録されています。
 カップリングの序曲「1812」は珍しい合唱入りでこれも一聴の価値があります。(DVDオーディオでも発売されています)
 
 
・ロストロポーヴィッチ&ロンドン響のショスタコーヴィッチ:交響曲第8番 (LSO:LSO-0527)SACDとのハイブリッド
 さすがに年のせいか、アンサンブルにほころびのある所がありますが、決して表面だけをなぞったのではない、触れただけで血が吹き出るような生々しい音楽が展開されていきます。
 この曲は昔から大好きでしたが、ド派手な7番の影に隠れていて、恥ずかしながらそれほど激しい曲だとは思っていませんでした。しかしこの演奏のあまりに深い深刻さと死に物狂いと言える激烈さに震えが止まりませんでした。
 このコンビによるショスタコーヴィッチ(11番・5番)はどれも素晴らしい演奏ばかりですが、この8番に関しては最高の一角を担う演奏です。(11番もそうです)
 
 
 最後にショスタコがらみでひとこと。
 どの雑誌かは失念しましたが、井上道義さんがインタビューで「ショスタコーヴィッチの交響曲チクルスやりたい」と語ってましたが、マジでどこかやってくれませんか?
 8・11・12番なんか知名度はありませんが名曲だと思いますし、2・3番も一度は生で聴いてみたいです。
 ショスタコ・イヤーにこの人の交響曲がまとまって聴けないのは問題でしょう。井上さんなら全曲対応できますし、ぜひともお願いします。(できれば録音を……)

7月10日
 先週お約束したように、今週の更新は朝比奈一本勝負のブルックナー0番です。
ブルックナー…交響曲第0番
 内容はフォンテックより発売された82年都響の演奏です。よろしければ、どうかご覧下さい。

7月3日
 先週はお休みしてしまいました。どうもすみません。
 
 いや、マジでジュリーニさんが亡くなったこと知りませんでした。(先々週の更新を終えてから気が付いた)
 この人のブラームス全集を何年もショップで探し回って買い求めた思い出があります。あの“どろり濃厚ピーチ味”とでも形容できる濃いカンタービレが永遠に聴けなくなってしまうのは、残念で仕方ありません。91歳という天寿を全うしたジュリーニさんのご冥福をお祈りします。
 ジュリーニさんのCDについてはアリアCDさんの所で特集を組んでいます
 
 5月8日のこの欄に朝比奈さんの廃盤レコードがヤフオクですごいことになっていると書きましたが、いやいや熱はまだ冷めやらぬ様子です。
 今回はこのオークションがそうだったのですが、序曲「1812年」だけに11万オーバーとは何とも言い様がないですね……。
 真剣に、こういう演奏を限られた人以外にも聴くことのできる方法はないのでしょうか?
 
 
 さて、今週の朝比奈一本勝負もマーラーの更新です。
マーラー…交響曲第3番〜9番+大地の歌
 アップしたのは6番の2種と7番・8番の計4枚です。新発売となった92年の6番もレビューしています、よろしければご覧になってください。(8番なんかウンチクだけで凄い文章量となってます)
 
 
 最初は「朝比奈にマーラーなんか似合わない」なんて、生意気なことを考えていましたが、13種類ものマーラーを一気聴きすると、その認識が誤りであったことを痛感してしまいました。どの演奏も朝比奈色を存分に出していて、他の誰の演奏にも似ていない唯一無二の個性を高い次元で結実させた良い演奏ばかりでした。私もまだまだ青いですね。
 
 とりあえずマーラー編はこれで終了となりましたが、5番と4番のテープの行方が気なって仕方ありません。なにとぞテープを発掘して市販化して欲しいものです。(90年のマラ3は微妙だそうです)
 
 さーて、マーラーが片付いたので次はどの作曲家をしようかな?(軽く行くか、重く行くか)
 
 フォンテックのブル0は次の更新時にアップしますので、もうちょっと待ってください。


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