玄 関 口 【CD菜園s】 【コンサート道中膝栗毛】 【朝比奈一本勝負】

過去のひとこと(2006年後半版)


 2006年の7月から12月にかけて書いた「ひとこと」を並べています。よろしければ読んでください。

12月24日
 更新ってレベルじゃねーぞ。
 
 という訳で、前回の更新がいつだったか記憶の彼方に行ってしまった石田です。
 カウンターも知らない間に7万ヒットを超えていたのですが、過去にこだわるのは人生にとって必ずしもプラスになることではありませんので、私も過去のことは積極的に忘れることにしました。うんうん。(最悪だな)
 
 戯言はここまでとして、
 10月29日の当欄(前回更新時だ…)で書きました「タワーレコード“ヘリテージ・コレクション”(ビクターレコード音源)」ですが、第2弾がタワーレコードから正式なアナウンスが出されました。
 
 注目の朝比奈さん関係はその内2点が挙げられていました。
・フルトヴェングラー:交響曲第2番
・マーラー:交響曲第8番&ショスタコーヴィチ:交響曲第5番
 
 それぞれCDの2枚組みで、マラ8とショスタコ5がひとまとめにされました。レーベルは TOWER RECORDS VICTOR HERITAGE COLLECTION で、CD番号はフルヴェンがNCS-561で、マラ8はNCS-559となります。気になる発売日は来年1月17日です。
 フルヴェン2は長らく復刻が待たれていた演奏ですし、マラ8やショスタコ5も日本の演奏史にとって重要な演奏だったので、今回の復刻はかなり大歓迎です。
 ただ、マラ8は4チャンネル録音で収録されているので、DVDやSACDのマルチチャンネルで聴きたかったのが正直な所で、その点が少し残念です。
 
 廃盤になってずいぶんと時が経ってますので、聴きたくても聴けない方が多いと思われます。興味のある方はこの機会にどうぞ。
 (参考リンク:ヘリテージ・コレクションVol.2のページフルヴェン2マラ8&ショスタコ5
 
 さて、朝比奈&シカゴ響のブル5がもう届いている方もいるとおもいます(最高のクリスマスプレゼントだ)が、例によって私は家にも帰れない状況なので、全く聴いておりません(涙)
 聴けたら簡単なレビューでも掲載したいと思っていますので、余り期待しないで待っててください。
 
 しかしDVDどころか、チケットを取った年末の第9演奏会が全滅しそうな勢いで、仕事が立て込んでいるのですが、私はいったいどうすれば良いんでしょうか?(仕事しろ)
 
 忙しいってレベルじゃねーぞ。

10月29日
 1ヶ月以上も更新あけてしまった……。_| ̄|○
 ちょくちょくここをチェックしてくださっている方には大変申し訳ないことをしています。
 
 まったく情報がないわけではないのですよ。レコード芸術11月号に載っていたタワーレコードの広告に、朝比奈さんと大阪フィルがビクターに残した3種の録音(マーラーの8番、ショスタコーヴィッチの5番、フルトヴェングラーの2番)が来年2月に復刻する予定、と掲載されていました。
 これは10月18日にリリースされる「タワーレコード“ヘリテージ・コレクション”(ビクターレコード音源)Vol.1」の続編として挙げられたものであって、あくまで予定です。現にタワーレコードのサイトを見るとVol.1の内容しか挙げられていません
 
 タマ自体はなかなかビックで、心躍るものがありますが、レコ芸の広告は早いけど余りあてにはならない、というのがイメージとしてあるので、今の段階では未確認の情報として扱いたいと思います。
 ビクターがらみの広告で、過去に煮え湯を飲まされた方がいっぱいいるはずです(笑)
 
 はっきりとしたことが判れば、改めて書かせていただきます。
 
 
 話は変わって、
 仕事の忙しさに、年末の第九のチケットがもう発売されていることをパーフェクトに忘れておりました。
 慌ててチケットを取りましたが、もう隅っこの方しか空いていませんでした。1年ぶりの演奏会なので、チケット争奪の勘まで鈍ってしまったようです。_/\○_ 腰砕けー
 
 とは言っても年末の第九、取り分け大阪フィルと佐渡さんの第九は絶対に外すわけには行きません。
 てな訳で、コンサート道中膝栗毛に1年ぶりとなるコンテンツ
12月28日 佐渡裕&大阪センチュリー(ザ・シンフォニーホール)
12月29日 井上道義&大阪フィル(フェスティバルホール)
 を追加しました。
 今からオラ、ワクワクしてきたぞっ。

9月24日
 キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
 
 え? 落ち着け、ですって? これが落ち着いていられますかっ。だって、だって、
 
・ブルックナー…交響曲第5番/朝比奈隆&シカゴ交響楽団
 収録日:1996年5月16日 シカゴ、オーケストラホール
 レーベル:NHKエンタープライズ
 フォーマット:DVD
 カタログ番号:NSDS-10477
 発売日:2006年12月22日
 
 キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
 
 今度はエイプリル・フールじゃありません。正真正銘の新譜が発表されました。
 3日間行われた定期公演のうち、NHKのカメラが入った初日の演奏がリリースされます。
 本編90分の他に、特典映像として朝比奈隆密着ドキュメンタリーが18分付きます。映像のソースはNHKエンタープライズなだけに、朝比奈さんが渡米した当時、NHKで放送された映像そのまんまだと思われます。
 なお、解説は宇野功芳氏が担当します。(笑う所?)
 
 シカゴ響の求める莫大なロイヤリティに二の足を踏むレコード会社が多かったなか、ついにNHKがやってくれました。さすが国営放送。
 もし受信料の支払いを拒否している人がいたなら、即刻全額納めるのだっ! それが朝比奈オタの使命なのだ!
 
 ただ、3日間全部聴いた方の話しによると、2日目の演奏がもっとも素晴らしかったらしいので、それが心残りと言えば、そうなります。
 
 しかし仮定の話として、このDVDがバカ売れしたら、ブル9の発売もあるかも?
 (参考リンク:HMVタワーレコード
 
 
 それにしても、今NHKは自社の持つクラシックの映像を「NHKクラシカル・シリーズ」と称して大放出中です。
 今年の6月に発売された第1弾として
・カラヤン/ベルリンフィル 1957年日本特別演奏会
・カラヤン/ウィーンフィル 1959年日本特別演奏会
・ショルティ/ロンドン交響楽団 1963年日本公演
・ショルティ/ウィーンフィル 1994年日本公演
 
 10月27日に発売される第2弾として
・ミュンシュ/ボストン交響楽団 1960年日本特別演奏会
・ベーム/ウィーンフィル 1975年日本公演
・ベーム/ウィーンフィル 1977年日本公演
・ベーム/ウィーンフィル 1980年日本公演
 
 以上がDVDでラインアップされています。思い出深い方もいると思いますので、興味のある方は探してみてはいかがでしょうか。

9月17日
 Webの波をさまよっているうちにとっても興味深いサイトを発見しました。
 
 指揮者・朝比奈隆の遺した放送録音
 
 タイトルが示す通り、朝比奈隆さんが放送媒体で遺した演奏のリストをずらりと並べたサイトです。
 ふむふむとリストを拝見すると、古くは1967年から亡くなる2001年までの放送されたことが判っている演奏を可能な限り並べていて、「こんなのも録音していたのか」と、新たな発見がありました。
 例えば、ハンブルク北ドイツ放送交響楽団とのブル4をCD化して欲しいなー、とか、大フィルの第2回ヨーロッパ演奏旅行はベト7以外のCD化はあったっけ? など見てるだけでも楽しいものがあります。(そんなディープなのは私だけ?)
 
 オーナー氏にメールでお尋ねした所、もっとリストを充実させることはもちろん、いずれは放送にこだわらない演奏会全部の記録もデータ化したいとおっしゃっていましたので、今後の発展にも期待が持てます。
 なによりこれだけ詳細なリストは今までありそうでなかったので、一見の価値はあると思います。興味が湧きましたらごらんになってください。

9月3日
 最近、朝比奈隆関連の情報がないからって、更新をサボってしまうのは感心しませんなあ。
 すっかりサボり癖が付いてしまいました。いかんいかん。(実際は趣味に割ける時間が壊滅状態だからなのですが……)
 こうなったら、やわらか戦車のように鮮やかな退却でもしましょうか(笑)
 
 てなわけで、注目のディスクの寸評を少し。
 
・ブルックナー:交響曲第0番/下野竜也&大阪フィル
 CDとSACDとのハイブリッド仕様だったのですが、SACDの方で聴きました。
 聴く前のイメージだと、速いテンポでさっさと進んでいくものを想像していましたが、実際はなかなかゆったりとしたテンポ取りで、少々驚きました。(第2楽章など実にしみじみと聴かす演奏となってました)
 そりゃあ指揮者がまだ若いですから、音楽に未消化な部分は確実にあります。しかし金管をふくよかに鳴らすなど、大阪フィルの機能を充分に引き出しており、またそれがブルックナーの響きを聴く喜びに直結している演奏でした。
 加えて、ブルックナー休止は意外なほど大胆に取っていますし、弱音のドキッとするようなはかなさの表現は非常に見事だと言えます。
 全体のまとめ上げ方も見事で、特に終楽章のコーダへ向かってクライマックスを築いていく手腕は高く評価したいです。
 
 0番はブルックナー初期の作品なので、7番以降程の高揚感には至らないですが、それでもブルックナーらしい魅力に溢れた作品です。この演奏は現在容易に入手できる同曲のディスクのなかでもファーストチョイスとしてお薦めできるものだと思います。
 録音の方は、まあ普通です。
 
 
 それにしても、R.シュトラウスの「英雄の生涯」発売以来、朝比奈さんに関する新譜の情報がぱったりと途絶えてしまいました。そろそろ何かアクションがあると期待しているのですが、こうも音沙汰がないと逆に心配してしまいます。
 クラシックCD業界はいま苦しい状況と聞きますが、その困難を跳ね返して我々に新しいCDをきっと届けてくれるものと信じています。頑張れーっ。
 
 
 そうそう、朝比奈隆とルービンシュタインの競演がCD化されるそうでね!(爆笑)
 エイプリルフールに担がれたのではないでしょうか? (解りやすく書いたつもりだったんだけどなー) 情報ありがとうございました。

8月16日
 あまりの暑さに融けてました。
 
 以前にも取り上げたことのあるマンガ「のだめカンタービレ」のドラマ&アニメ化が決定しました。
 大変面白い作品なので、映像化にはとても期待しているのですが、なんとこのドラマに出演する“のだめオーケストラ”の団員を募集するそうです。 (参考リンク:団員オーディションのサイト
 
 内容を読むと、ドラマ出演をメインとする「ドラマ部」とレコーディングをメインとする「録音部」に分かれるみたいです。
 運営はソニー・ミュージックエンタテインメントが行い、音楽的サポートは東京都交響楽団があたります。またドラマ部の選考にはフジテレビドラマスタッフが加わります。
 ビジュアル重視の「ドラマ部」とテクニック重視の「録音部」といったところでしょうか? (ちょっと失礼な物言い)
 
 原作の魅力あってこその展開でしょうが、これほど大きなプロデュースを打つとは思ってもいませんでした。きっと関連CDも数多くリリースされるでしょうから、ドラマの出来と合わせて期待したいと思います。
 (参考リンク:作者の二ノ宮知子さんのサイト

( ひとこと )

7月9日
 やっとこさ、と言うべきでしょうか
・『英雄の生涯』『ティル・オイレンシュピーゲル』/朝比奈隆&大阪フィル
 を聴きました。
 
 両方ともに共通した事項ですが、交響詩で描かれる場面場面を細やかに描写するアプローチではなく、曲の最初から最後までを太い線で貫いたアーチ状の構成を採っています。
 どっしりとして、なおかつゆったりとした音楽の流れが次第に高揚してきて、力強い頂点を築いた後、穏やかに終結する音楽作りはなかなか恰幅の良いものであり、朝比奈さんらしい音楽となっています。この人のアルプス交響曲が好きなひとは買って損はありません。
 
 録音は『ティル〜』が目の覚めるような好録音で、非常にびっくりしました。何の機会に録音されたのかはわかりませんが、こんなにフレッシュな音で聞けるとは思いませんでした。
 
 ライナーノーツは元シカゴ響プレジデントのヘンリー・フォーゲルさんが執筆しています。
 この中で、朝比奈さんの音楽を『高貴さ、人間愛、そして心の深いところで感じる暖かみ』に特徴があると書いていますが、まさしくこの演奏から感じることを的確に述べていると思います。
 
 
 蒸し蒸しと暑い日が続きますが、今からバテないよう頑張りましょー。

6月18日
 多くの方がご存知だと思いますが、
 オーケストラ・アンサンブル金沢の音楽監督などを務めていた岩城宏之さんが13日の午前にお亡くなりになりました。享年73歳でした。
 思い起こせば、自分の意思で初めて行ったコンサートが岩城さんとOEKとのコンサートでした。また咽頭ガンを克服して、フェスティバルホールの舞台に立った大フィル定期のベリオとカリンニコフ。どれも思い出深いものばかりです。
 CDもこの人の涅槃交響曲は何度も何度も聴きました。
 ここ数年の老け込み方は心配でしたが、幾度と病魔を克服してきた岩城さんなだけに「今度もきっと」と思っていたのですが、岩城さんは天国へと旅立ってしまいました。
 もう彼の音楽を生で聴くことができないのかと思うと寂しくて寂しくて仕方ありません。
 7月16日(日)に石川県立音楽堂コンサートホールで追悼演奏会、7月18日(火)に東京のサントリーホールでお別れの会が開かれます。行ける方はぜひ行って下さい。
 岩城さんのご冥福を祈ります。
 
 
 注目したいコンサートの話題です。
 2004年にブルックナーの交響曲第8番のアダージョ異稿を世界初演し、05年には同じくブルックナーの交響曲第4番の国際ブルックナー協会全集版第3稿を世界初演した、内藤彰&東京ニューシティ管弦楽団のコンビがまた新たなブルックナーを聴かせてくれます。
 
・ブルックナー:交響曲第9番 (4楽章完成版キャラガン新版、かつ2楽章スケルツォのトリオ部新稿世界初演)
 
 面食らいますよねー。どういうことなのか詳しく教えていただいたところ、第4楽章はキャラガンの新しい版による演奏で、第1〜3楽章はコールズ版(2000年最新版)を使用し、スケルツォのトリオをブルックナーが校正段階で没にした別の稿へと差し替えた演奏となるそうです。全4楽章揃えた上で、トリオの異稿を演奏するのは世界初演だそうです。
 (キャラガン版の第4楽章は最新バージョンで、これだけでも世界初演となるそうです)
 
 ただし、チケットの売れ行きやレコード会社の戦略など様々な事情により、どの版を使用するかは非常に流動的なんだそうです。
 チケットが売れれば、当初の計画通りの版が使用される、とのことです。
 そこで、この演奏会に興味を持った方は、ぜひとも演奏会に足を運んでみてください。
 今年9月28日(木)の19:00に東京芸術劇場大ホールでの開演です。S席6000円、A席4500円、B席3000円、学生席1500円となっています。
 (参考リンク:東京ニューシティ管弦楽団公式サイト

6月6日
 金聖響さん、「フラッシュ」デビューおめでとう!(笑)
 (参考リンク:デイリーニッカンサンスポスポニチ
 
 そんな下世話な話よりも、岩城宏之さんが重度の貧血で1週間ほど入院することになったことの方が大事です。もう73歳なんで、少し心配になってしまいます。
 復帰は6月中旬だそうなので、再び元気な姿を見せてくれることを切に希望します。
 (参考リンク:MSN毎日インタラクティブ
 
 
 さて、幾度となる発売延期の末、やっとこさ
TOKYO FM 朝比奈隆1970年代ライヴ集成
 が発売となりました。
 去年の年末の発売予定だったので、約半年の延期となります。加えて当初含まれていた大阪フィルとのブル5がラインナップから抜け落ちたりして、色々あったみたいです。
 
 今回BOX化されたことで、何か特典のようなものが付いているのか、と思いましたが、結局は実相寺昭雄監督による「朝比奈先生とわたし」という回顧録が寄稿されているのみでした。正直、あまり嬉しくないな……。
 
 内容は既出の内容と重なる部分が多く、目新しいことはあまりありません。
 それでも13ページ半にも及ぶ文章は大変楽しく読むことができました。特に、時代が生んだ“文人”達が次々と世間から去っていく現状に嘆息を吐き、音楽だけでない幅広い視野を持った新しい“文人指揮者”の登場を願って止まない件は深く同感できました。同時に、文人クラシックファンももっと増えて欲しいものですね。
 
 
 さあ、近づいてきました、06年6月6日が。そう、“666”の日には何かが起こるっ!
 ―――いや別に、悪魔の子が生まれる訳ではなく、
 ・『英雄の生涯』『ティル・オイレンシュピーゲル』/朝比奈隆&大阪フィル
 が発売されるだけですが。
 それでも今から感動の予兆がして止まりません(誇張含む)、発売が楽しみです。
 では、今週はこの辺で。


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